2013 Fiscal Year Annual Research Report
横浜市における行財政運営の民営化過程とPFI方式の事例研究
Project/Area Number |
25885061
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
大島 誠 横浜市立大学, 総合科学部, 講師 (60709161)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | PFI方式 / 公共サービス / 民営化 |
Research Abstract |
本年度は、主に2つの研究内容に取り組んだ。1つは、横浜市の民営化ならびにその手法であるPFI(Private Finance Initiative)方式導入の背景、現状、効果そして課題である。2つめは、横浜市下水道局改良土PFI事業に関する事例研究である。 それら意義は、世界および我が国そして地方公共団体の民営化の動向ならびにPFI方式の課題を踏まえて横浜市における行財政運営の民営化過程とPFI方式の事例研究として位置付けられる。そのため、その研究成果は単に横浜市に留まるものではなく全国の地方公共団体に一定の示唆を与えるであろう。特に、①PFI方式の意義と課題、②PFI方式と他の民営化方式との相違点、③同じPFI事業に対して地方公共団体間同士の比較研究をおこなうことで横浜市という1つの地方公共団体だけではなく全国の地方公共団体に対しても一般性のある政策提言を得られると考えられる。 主に、市のPFI導入の背景として単に財政上の問題だけではなく積極的に事業者の技術の活用、リスク配分そして長期的な事業期間と分野を対象にしている。実際、主に社会資本整備を中心に導入している。 そこから、市では本来、PFI方式に期待しているソフト事業に関する創意工夫期待するのではなく、リスク配分や技術の活用を目的としていることがわかった。特に、横浜市下水道局PFI事業改良土プランの事例では、独立採算制をとり、安定した事業運営をさせ事業の中途期間で事業者が破綻しないような事業内容や付帯事業の余地がほとんどないなど、一般的に期待されているこの方式のメリットではなく異な利用を試みている点が新しい。すなわち、市は事業者に一定の利益を与えた上で環境やリスク移転を期待したことがわかった。この事業をい通じた研究成果は、横浜市に留まるものではなく全国の地方公共団体に一定の示唆を与えるであろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では横浜市のPFI方式の事例研究である。研究を進める上で当初の研究計画時には知り得ない注目すべき事業案件ならび特徴が明らかになった。そのため、「薄く広い」研究ではなく「より深い」研究視点に変更した。そのため、市のすべての事業を対象にはできないが、既存の研究では明らかにされていない独創的な研究となった。 以上の理由によりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年度の引き続き特定にPFI事業の事例研究を進める。 具体的には、社会資本整備においてもっとも重要な下水道事業に対して、文献、インターネットを用いたホームページの閲覧そして各種資料の収集、専門書ならびに論文などを介した知識・先行研究・客観的な事実等を踏まえて分析する。その過程で、同分野の研究者からコメントや論文の批評を仰ぐ。また、本事業者へのヒアリングも欠かせない。
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Research Products
(3 results)