2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25885071
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
濱野 正樹 上智大学, 経済学部, 助教 (20711089)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 財の品質 / 実質為替レート / リスクシェアリング / 異質な企業 / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
一般に、消費財の品質が変化することは消費におけるリスクの一つになりうる。このような品質の差から生まれる消費のリスクに直面したとき、家計は国際間でどのようなリスクヘッジを行うのであろうか?本研究では上記の問いを中心に、理論モデルを構築し、さらには実証的にそのメカニズムの妥当性を検証することを目的とした。最終年度は、前年度に構築した動学的一般均衡モデルを、分析的に、または数値解析によって吟味した。 第一に、貿易市場は、財の品質をベースに競争を行う市場であるという仮定を入れることで、予想通り、輸送費などが上昇した際には、実際にデータにおいてみられるような、輸出財の価格と、財の品質の間に、正の相関を見出すことに成功した。第二に、貿易収支がバランスしており、国際間の貸し借りが全くないような状態において、財の品質と、財の種類の変化を含むより一般的な本研究の理論モデルにおいても、完備市場で見られるような国際間の消費のリスクシェアリングが成立することを分析的に示した。第三に、実証データと比較してみられるような、国際間の消費と実質為替レートのパターン(Backus-Smith correlation)が、本研究の理論モデルではうまく再現することができた。 論文は一通りの完成をみたが、今後の展開として、理論モデルから導き出される構造式を、データによって推計することを検討している。Feenstara and Romalis (2014)の推計による、詳細な商品カテゴリーのレベルでの、輸出財の品質データと、自ら構築した財の種類のパネルデータと組み合わせ、実質為替レートと、各国間の相対的消費の関係が見出されるかを、計量的にテストする。現在はそのデータセットの構築を行っている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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