2013 Fiscal Year Annual Research Report
少子高齢社会における主権者としての「子ども」の社会参加促進のための総合的研究
Project/Area Number |
25885073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
林 大介 東洋大学, 社会学部, 助教 (60708379)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 子ども参加 / 主権者教育/シティズンシップ教育 / 子どもの権利 |
Research Abstract |
(1)地方自治体での子ども参加の現状と課題を把握するためのアンケート調査:1789自治体を対象に、2014年2月21日(木)~3月31日(月)に実施した。子どもの声を行政に反映させる仕組みの有無/仕組みがある場合の方法や成果(子ども議会、アンケート、委員会への子ども参加など)/子どもの声を行政に反映させる必要性について、などについて調査を行い、現在集計中。また、全国自治体シンポジウム2013「地方自治と子ども施策」(2013年10月19日~20日、長野県松本市)にコーディネーターとして参加し、長野県、茅野市、奈良市、川崎市の子ども参加について、子どもお呼び自治体職員と意見交換を実施した。 (2)「10代の世論調査(2013年10月7日(月)~11月11日(月))」「未成年“模擬”選挙(参院選/2013年7月21日、都知事選挙/2014年2月9日)」などの実際の学校現場の取り組みなどを通した、子ども自身の意識把握:「10代の世論調査2013」には全国の小中高生1052人が回答を寄せた。また、未成年”模擬”選挙は、参院選においては11,113人の未来の有権者が投票を行った。それぞれの内容については、現在、分析中。なお、学校現場および子ども自身へのヒアリングは適宜実施した。 (3)海外の事例調査:アメリカにおいて、子どもや若者(10~20代のユース世代)がどのように社会的課題と出会い、関わりを持っているのか。また、ユース世代に対して、リーダーシップやコミュニティ・オーガナイザーとしてのスキルをどのように身につけさせるのかの調査研究のため、2014年2月13日(木)~21日(金)にかけて、4都市(ロサンゼルス、ニューヨーク、ボストン、プロビデンス)、14か所(8NPO、6大学)を視察・訪問した。 (4)子ども系NPOとの連携・協働:上記(1)全国自治体シンポジウム2013や、同(2)模擬選挙などを通じて、学校関係者や子ども系NPOなどとこれからの連携・協働のあり方について情報交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)地方自治体での子ども参加の現状と課題を把握するためのアンケート調査:「研究活動スタート支援」の決定が2013年9月と、2013年度が約半年過ぎてからのものだったため、研究活動そのもののスタートがずれこんだ。そのため、自治体調査のアンケート票の送付が予定よりも2ヶ月ほど遅れたため分析作業が2014年度になっているが、それ以外についてはおおむね順調に進展している。 (2)「10代の世論調査」「未成年“模擬”選挙」などの実際の学校現場の取り組みなどを通した、子ども自身の意識把握:実際の当事者との情報交換を蜜に行った。 (3)海外の事例調査:マーシャル・ガンツ博士(Dr. Marshall Ganz/ハーバード大学ケネディスクール上級講師/公共政策)の協力を得て、4都市14箇所を訪問することができ、予想以上に大きな示唆を得ることができた。 (4)子ども系NPOとの連携・協働:(1)(2)を通じて関係団体と常に情報交換を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)地方自治体での子ども参加の現状と課題を把握するためのアンケート調査:2013年度に実施したアンケート調査の分析を行うとともに、アンケート調査分析を踏まえて複数の自治体へのヒアリング調査を実施する。 (2)「10代の世論調査」「未成年“模擬”選挙」などの実際の学校現場の取り組みなどを通した、子ども自身の意識把握:「10代の世論調査2014」を実施するとともに、「10代の世論調査2012」「同2013」との比較・分析を行う。また、中高生世代が中心となって活動している団体へのヒアリング調査を実施する。 (3)海外の事例調査:フランス、スウェーデン、ドイツ等で行われているシティズンシップ教育や子ども参加の現場を視察し、教育現場(小学校、中学校、高校、大学等)、教育機関(教育委員会、政治教育センター等)や行政組織、教育系NPO、メディア企業などを訪問し、シティズンシップ教育の内容や課題、認知度などを調査する (4)子ども系NPOとの連携:学校や行政との連携・協働のあり方について調査を行う。 (5)報告書の作成:2年間の研究を通じて得たことを踏まえ、①特に地方自治体の子ども参加の現状と課題を抽出し他自治体への普及推進、②社会的に表出されにくくメディアでも取り上げられることが少ない次代を生きる世代の社会に対する思いや考えを把握す売ることの必要性と、そのための機会や教育の重要性が広く認識されるためのあり方、③海外事例の調査を通したシティズンシップ教育の国内での可能性、といった3点についての報告書を作成する。
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Research Products
(9 results)