2014 Fiscal Year Annual Research Report
認知機能を起因とする診断横断的な精神病理傾向の予測に関する研究
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25885079
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
守谷 順 関西大学, 社会学部, 助教 (70707562)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 精神病理傾向 / 認知機能 / 不安 / うつ / 注意 / ワーキングメモリ |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な精神病理傾向(不安・うつなど)と様々な認知機能(注意・記憶など)の低下との関わりについて調べ,精神病理傾向に共通した認知機能の低下が見られるか,異なった認知機能が影響を及ぼしているか検討した。認知機能としては,これまで筆者の他,多くの研究者によって着目されてきた視覚的注意の覚醒・定位・実行機能,注意の解放,ワーキングメモリ容量を扱った。平成26年度の研究では,前年度に実施した研究にさらに実験参加者を追加し,複数の精神病理傾向と認知機能を測定した。のべ120名のデータを集め解析したところ,視覚的ワーキングメモリ容量の多さは社会不安特性の高さを有意に予測し,また実行機能の低下は抑うつの強さを有意に予測した。したがって,個々の精神病理傾向に対して異なった認知機能が影響を及ぼしている可能性が示唆された。また,認知機能の訓練課題が他の認知機能および精神病理傾向に及ぼす影響についても検討した。ワーキングメモリまたは視覚探索訓練課題をのべ50名の大学生を対象にランダムに割り当て, 1週間毎日パソコンを用いて訓練課題を行ってもらった。1週間の前後でのワーキングメモリ容量および精神病理傾向,ストレスの程度を測定し,分析した。ワーキングメモリ訓練課題を実施した群では,有意にワーキングメモリ容量が増加していた一方,視覚探索訓練課題では増加は見られなかった。さらに,視覚探索訓練群においてストレスの程度が強い者ほどワーキングメモリ容量,特に鮮明な記憶が必要となるワーキングメモリの質が向上していた。ストレスにより視野が狭まり,より対象を詳細に見る傾向が強まった可能性が考えられる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)