2014 Fiscal Year Annual Research Report
日英における農地法改正の法的論点と制度的課題について
Project/Area Number |
25885081
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
久米 一世 早稲田大学, 法学学術院, 助手 (60707561)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 農地法 / イギリス法 / 比較法 / 環境法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究のテーマは「日英における農地法改正の法的論点と制度的課題について」であり、欧州共通農業政策(Common Agricultural Policy:以下「CAP」と言及する)の近年の方針がイギリス農地関連法制に与えた影響について明らかにし、それを踏まえた上で、比較法的観点から日本の農地法改正議論と照応させ、イギリス同様に先進国ならではの農村地域問題を抱える日本が今後整備すべき農業・農村地域支援制度の姿を見出すことを研究課題としてきた。 本研究は2ヶ年で計画され、初年度である2013年度は主としてイギリス農業法制及びCAPの現状を明らかにすることに主軸を据え、イギリス国内での調査及び文献・判例等の検討作業を行った。 最終年度となる今年度は昨年度の成果を基盤として法理論研究を進めてきた。具体的には、農地関連の判例準則を整理し、そこに現れる戦後から今日までのイギリスにおけるパブリック・ポリシーの変遷に関する軌跡を洗い出す作業を目下継続中である。判例法主義を採るイギリスは、制定法主義である日本とは異なり、法源として判例準則が果たす役割が極めて大きい。90年初頭からイギリスにおける農地賃貸借法制は1995年農地経営借地法の制定をひとつの画期として、より一層の自由化を指向している。しかしながら、裁判所の判断は必ずしも常に制定法の性格と軌を一にするわけではなく、エクイティ的な法技術によって多様なパブリック・ポリシーを判決に反映させようとしている。この点は、極めてイギリス法に特殊な事情であり、日本との単純な比較が許されない理由のひとつである。 今後の研究では、農業政策に関する日英両国における各々のパブリック・ポリシーと農地法制の関係性をテーマに、変化著しい今日の日本農政、農業法制策の構築に資する法理論の解明を試みたいと考えている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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