2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25885086
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中園 善行 横浜市立大学, 国際総合科学部, 准教授 (10707483)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 金融政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ゼロ金利制約下における非伝統的金融政策の効果を分析することである。先進国の主要中央銀行は、近年、金利操作によらない「非伝統的」な金融政策(特に、経済主体の「期待」に働きかけて緩和効果を得ようとする政策)を運営しているため、それらの政策の効果分析に関心が高まっている。しかし、非伝統的金融政策の効果分析は、発展途上である。その理由は、非伝統的金融政策が、民間経済主体の期待形成に働きかけることを狙った政策であり、政策遂行に際し、観察不可能な「期待」を扱うため、分析が難しいからである。本研究では、サーベイデータから得られた情報などを期待形成の代理変数とし、「非伝統的金融政策が、期待への働きかけを通して、家計や金融市場に与えた影響」を分析することを目的としている。 平成26年度は、昨年度に引き続き、金融商品の価格に織り込まれた金利の先行きに関する「期待」を活用し、2000年代の日本銀行による非伝統的金融政策(コミットメント政策を伴う、量的緩和政策)の政策効果分析を行った。具体的には、金利先物(ユーロ円金先)の高頻度データを用いて、非伝統的金融政策ショックを識別し、このショックが資産価格に与える影響を分析した。研究結果からは、非伝統的金融政策が資産価格(株価)に与える影響は、将来の経済見通し、特に将来の物価に関する見通しの不確実性の大きさに依存することが示唆された。 なお本研究は、論文「Stock Market Responses under Quantitative Easing: State Dependence and Transparency in Monetary Policy」としてまとめられ、各種セミナーで報告されたほか、現在、公刊に向けた準備を進めている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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