2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25885100
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
菊谷 まり子 同志社大学, 心理学部, 助教 (60707412)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 顔認知 / 表情 / 視線 / 社会不安 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、顔の表情と視線の位置、そして観察者の社会不安の程度が顔記憶に及ぼす影響を調べた。本年度は実験実施、結果分析、学会発表、論文執筆を行った。まず86名の大学生に笑顔と怒り顔を記憶してもらい、後に真顔で呈示されたそれらの顔を再認してもらうという実験を行った。先行研究では、笑顔で学習された顔のほうが怒り顔で学習された顔よりも再認率が高いという結果が出ている。今研究では顔の表情だけでなく、視線の位置と参加者の社会不安の程度が顔記憶に与える影響を調べたため、各参加者が人と関わるときにどれだけ不安を感じるかを質問紙で測定し、また記憶すべき顔の視線がまっすぐ前を向いている条件と、横にそれている条件を用意した。実験結果では、社会不安が高い人達の間では怒り顔の再認率が笑顔の再認率より低かったが、社会不安が低い人達の間では両表情の再認率に差はなかった。また、視線の位置の影響は全く見られなかった。社会不安の高い人達は自分が脅威を感じる刺激に敏感であることが今まで様々な研究で明らかになっている。今回の実験では、社会不安の高い人達がこの敏感性のために怒り顔の表情の分析に注意を注いでしまい、個人を特定するために必要となる顔の普遍的な特徴を十分に分析できず、怒り顔の再認率が低下したと考えられる。社会不安の程度という個人のパーソナリティ特性が、顔記憶における個人差を生み出す一つの要因となることを示した重要な結果といえる。これらの結果について二つの国際学会で発表し、他の専門家からの意見を得た。そしてそれらのフィードバックを考慮して論文を執筆し、国際誌のCognition and Emotionに投稿した。論文は現在査読中である。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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