2014 Fiscal Year Annual Research Report
オプション価値評価の効用と課題:投資意思決定の精度向上に関する研究
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25885108
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Research Institution | Kansai Gaidai University |
Principal Investigator |
北尾 信夫 関西外国語大学, 国際言語学部, 准教授 (00708969)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 管理会計 / リアルオプション / 資本予算 / 投資意思決定 / 投資事後評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、前年度に実施した1社に加えて、新たに2社の協力を得、インタビューによるフィールド調査データを収集した。これらの調査から、投資意思決定に際して考慮された投資案件に含まれるオプション価値のうち、事業の「撤退」や「縮小」などのプット系オプションに分類されるものは必然的に経営資源の再配分等を伴い、本社レベルの企業戦略を検討する場において、議論され最終的に行使が判断されるのではないかという仮説を得た。 北尾(2011)で得た東証1部上場企業へのサーベイデータを用いて仮説検証し、上記の観測結果が一般化できる可能性を示した。また、同時に、オプション価値の事後評価が現時点では企業業績向上につながるほど精度の高いものになっていない可能性についても指摘した。 これらの結果は、平成26年度日本原価計算研究学会全国大会での発表、及び学会誌『原価計算研究』への掲載(平成27年2月20日掲載受理)で公表した。本研究によって、これまで資本予算研究において研究対象とされることが稀であった投資案件に含まれるリアルオプション由来の価値を評価することの効用と課題の一部を明らかにすることができ、新たな視点から、わが国企業の投資意思決定に関わる実務の改善に貢献できた。 さらに、本研究過程で副次的に得た、海外販売拠点の増加が企業の採用する資本予算技法の選択に影響を与えていることについても論文としてまとめ『関西外国語大学研究論集』に掲載され、円安が進行する今日的な経営環境下での、わが国企業の海外拠点オペレーションや投資意思決定実務に参考になる情報を提供できた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)