2013 Fiscal Year Annual Research Report
顔優位成分N170の神経基盤-脳波、脳磁図からの検討
Project/Area Number |
25885124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
本多 結城子 生理学研究所, 統合生理研究系, 特別協力研究員 (40469614)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | ERP / MEG / N170 / M170 |
Research Abstract |
本研究の目的は、事象関連電位と脳磁図を用いて、複数の視覚刺激による顔優位成分(N170成分、M170成分)の潜時と振幅の変化を検証することである。初年度にあたる平成25年度はまず使用する視覚刺激の妥当性を検討するために、顔らしさの情報量の少ない視覚刺激を用いて170成分の記録する予備実験を行った。 顔らしい情報を持たない視覚刺激として、木の断面図やスクランブル画像などの模様、郵便ポストや屋根などの顔らしさはないが意味のある写真を呈示した際の脳活動を10名の被験者から記録した。模様に対する結果としては、10名中7名の被験者においては通常N170成分が出現するとされる150~250ミリ秒の潜時帯において、N170成分を確認することはできなかった。物として認識できる視覚刺激や顔のような配置をした木の断面においては、7名中4名の被験者で振幅は小さいもののN170成分が出現した。その一方で10名中3名の被験者においては、顔らしさの情報量に関係なくすべての画像に対して顕著なN170成分が出現していた。これら10名の被験者間において、顔に対する識別能力に差はなかったにも関わらず、どの視覚刺激に対してもN170成分が出現する被験者の存在はN170成分の刺激特異性に反する結果がであるといえる。この個人差によるN170成分の出現差を検証するために、26年度は研究計画を一部変更して、この差が何により出現しているかを確認するための検討を追加する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り、顔らしい情報量の少ない視覚刺激を用いて事象関連電位を記録することができている。視覚刺激の種類は予定していたよりも多くを用いて検証することができた。脳磁場計測についてはまだ着手していないが、事象関連電位で得られたデータの重要な刺激に対してのみ計測を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる平成26年度は、実験計画通り「顔」らしい情報量を多く含む視覚刺激を用いたN170成分の記録を行う。また、平成25年度に行った実験結果を踏まえて、個人差によるN170成分の出現の違いについても詳細な検討を行う予定である。
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