2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25885129
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Research Institution | Research Institute of Economy, Trade and Industry |
Principal Investigator |
小林 庸平 独立行政法人経済産業研究所, 研究グループ, コンサルティングフェロー (80711811)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 社会保険料 / 企業行動 / ミクロデータ / 投資 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度に作成したデータを用いて、平成26年度は2つの研究に取り組んだ。
第一が、社会保険料負担が設備投資・研究開発投資・海外直接投資に及ぼす影響の分析である。社会保険料は、直接的には賃金や雇用に影響を与えるものだが、設備投資や研究開発投資、研究開発投資にも影響を与えるのであれば、日本の中長期的な潜在成長率に大きな影響を与える可能性がある。そこで、社会保険料を加味した設備投資関数・研究開発投資関数・直接投資関数を導出し、パネル推定を行った。分析の結果、社会保険料負担の増加は、(1)企業の国内投資を一定程度抑制させた可能性がある、(2)研究開発投資には大きな影響は与えていない、(3)海外進出を行うかどうかの意思決定には影響を与えていないものの、既に海外進出を行っている企業の対外直接投資を増加させた可能性がある、といった結果が得られた。
第二が、社会保険料負担が企業行動全体に及ぼす影響の検証である。平成25年度に構築したデータを企業アンケートを用いて、、社会保険料(年金・医療)と法人税の性質の違いや、労働・資本調整、賃金・雇用調整、正規労働・非正規労働の調整、企業の前転(価格への転嫁)・後転(労働者への転嫁)の選択、時間軸における対応の違いの可能性について、複数の仮説を分析した。その結果、企業は多様な負担吸収・利益分配行動をとる用意があること、社会保険料の変化は正規労働者の賃金・雇用に大きな影響を及ぼすが、法人税は設備・研究開発投資に影響を及ぼす傾向が強いこと、短期的には利益の増減で対応する傾向が強いが、中期的には雇用・賃金や投資等で対応する割合が高くなること、流動性制約に直面している企業は手元キャッシュを重視する事、規模の大きな企業は公的負担を外部に転嫁することなどがわかった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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