2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25887007
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐野 良夫 筑波大学, システム情報系, 助教 (20650261)
|
Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
|
Keywords | グラフ理論 / 競争グラフ / グラフの競争数 / 交叉グラフ / グラフ固有値 |
Research Abstract |
今年度は、主にグラフ理論における問題に取り組んだ。今年度の研究成果は以下の通りである。(1)競争数の計算は一般にNP困難問題であるが、サイクルの補グラフ、およびさらにより一般的なあるタイプのサーキュラントグラフに対して、その競争数の正確な値を与えた。(2)一般のグラフの競争数に対する下界としてOpsutによるものが2つ知られていた。その2つの下界の共通の一般化として、グラフの競争数に対する新たな下界を与えた。(3)競争グラフに類似する概念として、系統グラフがある。平面の有限点集合から誘導される半順序に対応する有向グラフの系統グラフとして得られるようなグラフの特徴付けを与えた。(4)グラフの競争数がそのグラフの辺クリーク被覆数-頂点数+2となるグラフを競争的タイトグラフとして定義し、その性質について調べた。また、グラフの競争数に対してこれまで知られていた上界よりも良い上界を与えた。 (5)完全多部グラフにおけるグレガリアス・サイクルを既存の定義を自然な形で拡張し、長さの長いサイクルについてもグレガリアス・サイクルを定義できるようにし、サイクル分解の問題について研究を行った。いくつかの場合については、分解可能であるための十分条件を与えた。 また、次のような研究活動も行った。中国科学技術大学のJack KOOLEN教授とJongyook PARK氏に筑波大学に来てもらって、グラフ理論についての共同研究を行った。それから、2013年11月には研究集会世話人の1人として「The Second Workshop on Spectral Graph Theory and Related Topics」を東北大学にて開催した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グラフ理論の分野の競争グラフとグラフの競争数に関する研究において、いくつかの成果が得られ、またグラフ固有値と列挙問題の研究においてもある程度の進展があったため、研究はおおむね順調に進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策としては、引き続き、グラフ理論の分野での競争グラフやグラフの競争数についての研究を行うとともに、グラフ上の最適化問題とアルゴリズムに関する研究を行うことで、研究課題に関する研究成果を出していけるよう推進していきたいと考えている。 特に、離散最適化の分野で非常に重要な概念の1つであるマトロイドという離散構造や、グラフの固有値に制約を与えた場合のグラフの列挙問題についても現在研究中であるので、これらに関しても成果を出していければと考えている。
|
Research Products
(15 results)