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2013 Fiscal Year Annual Research Report

硫酸の酸素・硫黄質量非依存分別(MIF)に基づく、大規模火山噴火記録の検出

Research Project

Project/Area Number 25887025
Research Category

Grant-in-Aid for Research Activity Start-up

Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

服部 祥平  東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (70700152)

Project Period (FY) 2013-08-30 – 2015-03-31
Keywords質量非依存分別 / 硫酸エアロゾル / 大規模火山噴火
Research Abstract

当該年度は研究開始から半年しかなかったが、この少ない期間で主に測定法の立ちあげを主に行った。硫酸の酸素・硫黄の質量非依存分別(Mass-independent fractionation, MIF)を用いて、火山噴火後の硫酸生成のメカニズム(酸化剤の特定、光化学反応(光解離、光励起等))を行う基盤が構築された。大規模火山噴火のシグナルには不明点が多く、アイスコア・火山灰・チャンバー実験などの模擬実験から、火山噴火によって放出される二酸化硫黄(SO2)が硫酸に生成する際にどのような同位体の変化が生じるかを考察することを目的とする。
硫酸の四種硫黄同位体測定に関しては、存在度の少ない36Sを高精度・高確度に測定するため、新に購入したカラムを用いてフルオロカーボン等の不純物を取り除き、国際標準試薬であるIAEA-S1, S2, S3の測定によってd34S, D33S, D36Sがすべて他の研究室と比較可能な測定ができることを確かめた。現状では5-10マイクロモルの試料を分析で十分な精度で計測が可能となった。
硫酸の三酸素同位体組成に関しては、国内初の測定法を立ちあげた。試料中の硫酸をイオンクロマトグラフを用いて他イオンから分離・回収を行い、この方法を用いて硫酸を硫酸銀として回収した。回収した溶液から硫酸銀を90度の遠心分離で固体として回収した。硫酸銀を石英カプセルに秤量し、1000度の硫酸銀粉末を熱分解することでO2を生成し、このO2の三酸素同位体組成を測定した。17Oをラベルした4試料(0‰、1.1‰、2.2‰、8.0‰)を分析した結果、その結果はワシントン大学の結果と調和的であり、結果として海外と比較可能な測定法が開発された。
次年度は立ちあげた方法を環境試料に供試し、硫酸生成過程の解明を行う。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究計画から半年間という短い期間で、重要なステップである硫酸の三酸素・四種硫黄同位体組成の2手法測定法の立ちあげに成功することができた。この方法は汎用性が高く、チャンバー実験・エアロゾル・火山灰などの試料に用いることが可能である。
また、共同研究者との打ち合わせが進み、宝永火山噴火後の火山灰の供与が決まっている。また、日仏二国間共同研究が2014-2015年度で採択されたため、本研究の根幹である大規模火山噴火後の硫酸生成プロセスに関して、日仏共同のチャンバー実験によるMIFの変動要因を解明を行うことが可能となった。研究も今年度に立ちあげた手法が応用先の一つであり、かつ本質的である。
このように、重要なステップである測定法の立ちあげがほぼ完成し、さらに応用先である環境試料及びチャンバー実験などの準備も進んだ。このため、来年度に本研究計画の目的を達成させるための基盤構築ができたため、研究は概ね順調に進展していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

前年度までに立ちあげた方法を自動化して効率的に研究を進めるため、元素分析計を用いてオンラインかつ自動化を行う。この改良によって操作等によって生じる誤差を低減することが期待される。また、石英カプセルと試料間において酸素同位体交換が引き起こされることを発見したため、低試料のサンプルの測定において補正式を新に作ることが求められる。
また、目的の一つである火山灰試料に応用するため、火山灰を塩酸処理し硫酸を硫酸バリウム態として回収する必要がある。しかし、硫酸バリウムは不溶性であるため硫酸バリウムから酸素を抽出する方法はないため、硫酸バリウムと炭酸ナトリウムの酸素同位体交換によって硫酸バリウム態から硫酸銀へ変換する方法を検討する。この方法を確かめるため、今年度作成した17Oラベルしたスタンダードを用いて、変換において同位体交換を引き起こすか検討する。
[環境試料への応用]
宝永火山噴火で沈着した火山灰試料や日本上空のエアロゾル試料を分析することで、硫酸生成過程の解析を進める。
[チャンバー実験]
成層圏に噴煙が直接到達する大規模火山噴火後には、南極などの極域の硫酸に特徴的な硫黄・酸素MIFが見られることが知られている。申請者のこれまでの研究で大まかな描像は描かれているが、より定量的にMIF情報を解析するために、チャンバー実験を用いたMIF変動要因の解明を行う。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] OCS and SO2 isotope effects in photochemistry: Implications for background and volcanic stratospheric sulfate aerosols (Invited)2013

    • Author(s)
      Shohei Hattori, Johan Schmidt, Matthew Johnson, Sebastian Danielache, Yuichiro Ueno, Naohiro Yoshida
    • Organizer
      AGU fall meeting
    • Place of Presentation
      サンフランシスコ
    • Year and Date
      20131209-20131213
    • Invited

URL: 

Published: 2015-05-28  

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