2013 Fiscal Year Annual Research Report
超流体中の射影低次元空間における自発的対称性の破れ
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25887042
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
竹内 宏光 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 講師 (10587760)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 低温物理学 / 超流動 / ボース・アインシュタイン凝縮 / 量子流体力学 / 流体力学的不安定性 / 界面 / 自発的対称性の破れ |
Research Abstract |
この課題では主に,2成分の超流体で構成される2成分ボース・アインシュタイン凝縮体における動的現象に関して,理論・数値的研究を行った.以下に主な研究成果を挙げる. (1)2成分超流体中のドメイン壁対消滅過程で生じる量子渦の拡散現象:生成された量子渦はドメイン壁と垂直な「余剰次元」方向へと拡散し,その長さスケールが時間に比例して成長することを明らかにした.この事と,対消滅によって有効的に意味を成す射影2次元空間における特徴的な長さスケールの時間発展が時間の平方根に比例するということを比較すると,一定時間経過したあたりで2次元的な振る舞いが3次元的な振る舞いへとクロスオーバーすることが期待される. (2)2成分冷却原子気体ボース・アインシュタイン凝縮体と場の理論で実現するドメイン壁(ブレーン)と量子渦(ストリング)の複合ソリトンおよびブージャムの解の比較:「ブージャムチャージ」と呼ばれる場の理論で提唱された物理量の2成分凝縮体系への適用を試み,その定式化を行った. (3)2成分超流体の量子渦に関して新奇な動的振る舞いを発見:お互いに逆向きの回転流をもった混合2成分超流体の渦が重なっている状態をCounter-rotating vortexと名づけ,その安定性解析を行った.その結果,初期状態で各成分が保有する量子渦の量子数の絶対値よりも多い数の量子渦に分裂することで,この状態は不安定化することがわかった.この奇妙な現象には対向超流動の不安定性の特徴が強く影響することを明らかにした. (4)相分離した2成分超流体における南部・ゴールドストーン(NG)モードの理論的同定:一様系で平面状のドメイン壁が存在する場合,NGモードの数は二つしか存在しないことを初めて明らかにした.これはこの系のNGモードの1つであるリプロンがドメイン壁の並進移動と相対位相の揺らぎの線形結合として表現できることに起因していると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Reason
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] Ultrasound Attenuation in Normal Fluid 3He in 98% Aerogel: Knudsen-to-Hydrodynamic Crossover2014
Author(s)
H. Takeuchi, S. Higashitani, K. Nagai, Yoonseok Lee, H.C. Choi, B.H. Moon, N. Masuhara, M.W. Meisel, N. Mulders
Organizer
APS March Meeting 2014
Place of Presentation
Denver, Colorado, USA
Year and Date
20140303-20140307
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