2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25887044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Shumei University |
Principal Investigator |
前田 瞬 秀明大学, 人文社会・教育科学系, 助教 (00709644)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | k重調和写像 / 2重調和写像 / Chen予想 / 一般化されたChen予想 / 極小部分多様体 |
Research Abstract |
調和写像の一般化であるk重調和写像,特に2重調和写像に対して,現在多くの研究者により数々の結果が与えられている.2重調和理論を牽引している問題に「ユークリッド空間内の2重調和部分多様体は極小に限るだろう」というChen予想がある.また,この予想は外の空間の曲率が非正の場合にも正しいだろうと一般化された.本研究ではこれらの問題に対し様々なアプローチを試み,次の結果を得た. (1)完備リーマン多様体からの2重調和写像に対し,2エネルギー有限性を弱めた仮定をすることで調和であることを示した. (2)Chen予想をより一般のk重調和理論へ拡張した問題について考えた.すなわち 「ユークリッド空間へのk重調和写像はk-1重調和となるであろうか?」という問題を考えた.この問題に対し,k重調和がk-1重調和になるためには,2k-2エネルギー有限性を弱めた仮定と2k-3エネルギーの有限性の仮定のみあればよいことを示した.更にこの理論を帰納的に用いることにより,k重調和が調和であるためにはある種のエネルギー有限性があればよいことを示した. (3)東北大の浦川肇教授,山口大の中内伸光教授との共同研究により,負の定曲率リーマン多様体内の完備3重調和部分多様体は4エネルギーとテンション場のL4ノルム有限性の仮定のもと,極小であることを示した.また,平均曲率一定の部分多様体に対しては4エネルギー有限性を弱めた仮定のみで極小であることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Chen予想をk重調和理論へ拡張した問題を考え,この問題に対する部分的解決ができたため.更には2重調和に比べて扱いが非常にむずかしいとされる3重調和理論に対しても,一般化されたChen予想と類似の問題を考え,いくつかの仮定のもと極小であることを示すことができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は安定性な2重調和写像及び部分多様体の研究を中心に行う.また,グラフとしての2重調和超曲面を研究し,極小でない2重調和超曲面の構成も試みる.可能であれば3重調和及び,より一般のk重調和理論に対しても研究を行う.
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