2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25887047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
名古屋 創 立教大学, 理学部, 助教 (80447367)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 超幾何積分 / 共形場理論 / パンルヴェ方程式 / 量子パンルヴェ系 / モノドロミー保存変形 |
Research Abstract |
量子パンルヴェ系およびモノドロミー保存変形と超幾何積分の関係を理解するために, 次の2つの事柄を本年度の研究実施計画に挙げていた. 1. シュレディンガー方程式を計算することが望める超幾何積分の系列の定義. 2. 超幾何積分の系列を計算し, シュレディンガー方程式を得ること. 実施した研究の主な成果は以下の通りである。 リジッドなフックス型方程式の解がオイラー型超幾何積分で表示できることに着目し, シュレディンガー方程式を計算することが望める超幾何積分の系列を定義するために, オイラー型超幾何積分を用いた. 一般の場合のオイラー型超幾何積分に付随するコホモロジー群の基底を用いる計算は困難なので, 一般化超幾何関数を含む, あるオイラー型超幾何積分について考えた. そのあるオイラー型超幾何積分とは, オイラー型超幾何積分は定数関数にゲージ変換とオイラー変換を繰り返し施す事によって得られるものだが, ゲージ変換を行う際に常に同じ点に関するゲージ変換を施すことによって得られるものである. この場合について, オイラー型超幾何積分に付随するコホモロジー群を調べ, 計算に適した基底の候補を得ることができ, その基底を用いて超幾何積分の系列を定義した. 定義された超幾何積分の系列が実際に計算できることを確かめて, 特別な場合にはシュレディンガー方程式の具体系を得ることができ, 一般の場合についてはシュレディンガー方程式を得るアルゴリズムを与えた. 従って, いままで知られていなかった様々なオイラー型超幾何積分を特殊解として持つシュレディンガー方程式及び古典極限を取ることによって得られるハミルトニアン系が導出されたことになる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究実施計画では, 具体例を計算することによって, 超幾何積分から明示的なシュレディンガー方程式を得ることを目標に掲げていた. その目標は達成され, さらに具体的に書き下すことが不可能な場合についてもシュレディンガー方程式を書き下すアルゴリズムを解明したため.
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Strategy for Future Research Activity |
得られたシュレディンガー方程式について調べるとともに, 共形場理論やゲージ理論との関係を探っていく.
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Research Products
(2 results)