2013 Fiscal Year Annual Research Report
C-H結合活性化を活用した一次元多環芳香族炭化水素類の合成
Project/Area Number |
25888021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
所 雄一郎 中央大学, 理工学部, 助教 (80709692)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 重合 / 共役系高分子 / 環化反応 / パラジウム / ロジウム |
Research Abstract |
多環芳香族炭化水素やナノグラフェンは有機半導体として優れた性質を有するものが多く、エッジや次元に依存したユニークな物性を示すため、それらを効率良く、かつ精密に合成する手法が求められている。 本年度は、一次元に拡がった多環芳香族炭化水素やラダー型共役系高分子の合成を目的として、重合に適用可能である高効率な分子間環化反応の探索を行った。特に効率の良さという点に関して、C-H結合の切断を伴うこと、反応により芳香環が拡大すること、複数の反応点で環化が起こること、の3点を満たす反応について検討した。2’,5”-ジヨード-p-ターフェニル誘導体とジフェニルアセチレン類を酢酸パラジウムとホスフィノビフェニル型配位子の存在下で反応させた。主生成物はジベンゾアントラセン誘導体であり、分子間の環化が2ヶ所で効率よく進行した。 また、1,4-ビス(フェニルエチニル)ベンゼン類と2-ビフェニルボロン酸誘導体をロジウム触媒と銀塩の存在下で反応を行った。結果として両方のアルキン部位で環化が起こり、1,4-ビス(9-フェナントリル)ベンゼン類が収率良く得られた。この反応では1,4-ビス(フェニルエチニル)ベンゼンの末端ベンゼン環にアルキル基やアルコキシ基を有する場合においても反応が問題なく進行した。 これらの反応系では複数ヶ所の環化が起こるため、ジヨードモノマーあるいはジボリルモノマーとジインモノマーの重合に適用できる可能性を有するものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の反応点で環化が同時に起こり、多環芳香族炭化水素の前駆体となり得る骨格を効率よく構築する条件を見出せたため。
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Strategy for Future Research Activity |
分子間環化反応を重合反応に適用する。また、従来のクロスカップリングと直截的アリール化を組み合わせたポリマー合成等についても検討を行う。
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Research Products
(2 results)