2013 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素を原料とする新規刺激応答性環状およびグラフト型高分子の合成
Project/Area Number |
25888022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
本多 智 東京理科大学, 工学部, 助教 (10711715)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 二酸化炭素の化学固定 / 二酸化炭素-エポキシド交互共重合 / 環状高分子 / 櫛形高分子 |
Research Abstract |
本研究は、二酸化炭素の有効利用方策として注目される二酸化炭素とエポキシドの交互共重合によるポリカルボナートの合成技術と特殊構造高分子合成技術とを融合することで、これまでの有機・高分子材料では達成困難であった新たな環境調和型高分子材料を創製することを目的とする。本研究では、とくに環状および櫛形高分子の構造に着目し、本年度は二酸化炭素由来環状高分子およびグラフト共重合体の合成法の確立を目指した。 先ず、二酸化炭素-プロピレンオキシド(PO)交互共重合により両末端官能性直鎖状ポリプロピレンカルボナート(PPC)を合成した。次いで、直鎖状PPCの末端基同士を希釈下で反応させることにより、環状PPCを合成することに成功した。 続いて、tert-アクリル酸ブチル(tBA)の原子移動ラジカル重合(ATRP)によりPtBAを合成し、酸の添加によるtert-ブチル基の脱保護を経てポリアクリル酸(PAA)を合成した。その後、PAAを開始剤とする二酸化炭素-PO交互共重合を行うことによりPAA-g-PPCを合成することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、二酸化炭素を原料とする環状高分子およびグラフト共重合体を合成し、その特性を明らかにすることを目的としている。現在までに、二酸化炭素を原料とする環状高分子およびグラフト共重合体をともに合成することに成功していることから、おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
二酸化炭素を原料とする環状高分子およびグラフト共重合体の合成法を確立できたので、今後は熱物性や刺激応答性について分子量依存性も含めて検討する。
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