2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25888024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
宮島 大吾 独立行政法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 特別研究員 (60707826)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 強誘電性 / 水素結合 / カラムナー液晶 / 溶液プロセス |
Research Abstract |
本申請研究では、報告者がすでに開発に成功した強誘電性カラムナー液晶を元に、より高速に電場応答の出来る材料の開発を目指している。強誘電性カラムナー液晶は申請者が開発したものを除いて未だに成功例がない。そこで、本研究の目標を達成するためには、以前に開発した材料において、強誘電性発現のために必要なパラメーターを理解し、それを高速に電場応答できるように調整する必要がある。これまでの研究を元に、極性コアの運動性が重要なパラメーターであることが明らかとなっている。 そこで、まずはコア周りの構造を変化させた化合物3種を合成したところ、いずれもカラムナー液晶自体を形成しないことが明らかとなった。そこで、まずはどのような分子デザインの側鎖なら強誘電性を有したカラムナー液晶を発現するのかを探索することに焦点を当てた。 幸いにも、合成を進めてくうえで新しい分子デザイン設計が思い浮かび、当初計画していた以上にバラエティーに富む様々な側鎖を有するカラムナー液晶の開発に成功した。側鎖が両親媒性のもの、シロキサンを導入したもの、不斉炭化水素を導入したもの、など従来のカラムナー液晶に用いられたものからそうでないものまで多岐に渡る。このようにライブラリーを先に合成し終えることで解析に集中できる環境を整えることに成功した。現在これらの液晶が形成する秩序構造の解析に取り組んでいる。構造解析が終わり次第強誘電性の評価にとりかかる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた以上の、より多くの種類の強誘電性カラムナー液晶の合成に着手し成功した。しかしながら、SPring8を使用しないと構造解析は難しく、SPring8は使用できる期間・タイミングが限られているため、合成が完了したタイミングがSPring8の使用できる期間と合わず解析が終わっていないサンプルがまだいくつかある。しかしながら全体の計画として遅れはない。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度を通して様々なカラムナー液晶を合成し、ライブラリーの開発に成功した。これにより体系的な比較が可能となり、高速反転可能な強誘電性の実現に重要な分子デザインにおけるパラメーターを明らかにし、得られた情報を元に最適な分子デザインの開発を目指す。
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Research Products
(3 results)