2013 Fiscal Year Annual Research Report
地震被害を受けた建物群の詳細な検討に基づく建築物の倒壊限界評価法の妥当性検証
Project/Area Number |
25889013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松川 和人 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (50709186)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 建築構造・材料 / 自然災害 |
Research Abstract |
平成25年度は、主に本研究で必要となる①解析プログラムの移植作業②建物データの収集③強震観測データの収集・整備を行った。下記にその具体的な内容を示す。 ①では、精度良い固有値解析を行うためのライブラリが整備されているMatlabへと、既存の解析プログラムを移植する作業を行った。本研究では従来の骨組解析では取り扱うことが出来ない耐力低下域での解析を行う必要が生じたため、その種の特殊な解析条件に対応できるプログラミング言語を選択する必要があった。この移植作業により、耐力低下が生じ骨組が崩壊に至るまでの静的解析を無理のない範囲で精度よく追跡することが可能となる。 ②では、東北地方・太平洋沖地震や岩手・宮城内陸地震時に被害を受けた/受けなかった建築物の、構造図や被害データを収集したほか、被害を受けた建物/受けなかったの耐震診断データを収集した。特に学校建築物を中心として複数のデータを収集することが出来たため、これらを電子データとして保存している。また、収集した建物データのうち幾つかについては、モデル化作業に着手している。 ③強震観測データは、過去に研究代表者らが収集したものに加えて、気象庁やK-NET(防災科学研究所)などから収集した。なるべく被災建物から近い観測点で観測された地震波を26年度の解析では用いる予定であるが、建物近傍に観測点が存在しない場合は、最も近い観測点で観測された地震波形から立地場所の地震波形・応答スペクトルを推定し用いる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、特別なアイデアや経験などを必要とする作業はそれほど予定していなかったこともあり、極めて順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は非常に多くの建物に対してコンピュータープログラムによる静的解析を行うため、作業をある程度自動化する必要がある。そのため、ファイルからの構造データ入力-解析-結果の出力-グラフ化までを自動化できるよう、解析プログラムに新たなサブルーチンを複数加える予定である。 また、予想された結果(すなわち、地震により倒壊しなかった建物について、推定応答変形<倒壊限界変形となる結果)が得られなかった場合には、その建物を、構造図や耐震診断資料などから詳細に調査する必要がある。
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