2013 Fiscal Year Annual Research Report
生物の微細毛構造に学ぶ凝着接合型把持・脱離デバイスの開発
Project/Area Number |
25889020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
関口 悠 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (00712423)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 固体間凝着現象 / 生体模倣 / 凝着力制御 / 把持脱離デバイス |
Research Abstract |
本研究課題は,生物の優れた特徴を取り入れた凝着型着脱モデルを用いた把持脱離デバイスの開発を目的としている.ヤモリの手足に見られる微細毛構造物は,自身の体を支えるのに十分な把持力と容易な脱離機構を同時に獲得した優れた構造物である.微細構造物は階層構造を成しており,表面粗さに対する複数のコンプライアンスを実現することで表面粗さを吸収するのみならず,毛の形状に由来する脱離し易さも会得していると考えられている.このような優れた生物構造の理解は,着脱デバイス設計において非常に有益である.本研究ではヤモリの微細毛構造の先端部分にあたる薄くヘラ状の毛,spatula,に注目し理論的・実験的な凝着メカニズムの検討と脱離メカニズムの理解を深めることで,把持脱離デバイスへのメカニズムの応用を試みた.傾斜した片持弾性梁の側面が平面基盤に凝着・脱離する凝着解析モデルを用いることで,梁の動きに応じた凝着力の変化を議論した.理論的・実験的検証により,梁の傾きや摩擦力が把持力に影響することが明らかにされた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
凝着力制御の可能性が理論及び実験により示され,学会等で発表されたため研究計画は概ね順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
凝着デバイスに適した材質の選定と,それに伴う設計パラメータの決定を行う.また設計案に適したデバイス作製方法の検討を行ったうえで,デバイスの試作を行う.さらに,デバイスの着脱実験装置を組み立て,着脱メカニズムの議論を行う.
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