2013 Fiscal Year Annual Research Report
低レイノルズ数流れにおける乱れの空間的局在構造の解明
Project/Area Number |
25889034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
沖野 真也 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30711808)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 乱流遷移 / 定常進行波解 / 乱流パフ / 矩形ダクト |
Research Abstract |
乱流遷移が起こり始める低レイノルズ数流れでは、しばしば乱れが空間的に局在した状態が観測される。これらは「乱流パフ」や「乱流斑点」と呼ばれ、近年盛んに研究がなされている。本研究では乱流パフや乱流斑点を特徴づけるナビエ・ストークス方程式の不安定解を探し出すことで、空間的局在構造の特性を解明することを目的としている。 平成25年度は、矩形ダクト内流れの直接数値シミュレーション(DNS)プログラムを開発し、edge stateと呼ばれる層流と乱流の中間に位置する状態を計算した。まず正方形ダクトにおいて、流れ方向の計算領域をダクトの一辺の約50倍、レイノルズ数を3000としてDNSを実行することで乱流パフを得た。正方形ダクト断面における鏡像対称性を課し、系の自由度を制限した上で、適当な乱流状態を初期値としてedge stateを求めたところ、ダクトの一辺程度の流れ方向領域に乱れが局在化した。この状態をNewton-GMRES法プログラムの初期推定として与えることで、定常進行波解を得ることに成功した。この解は層流と乱流の吸引領域境界に位置し、乱流遷移のメカニズムを理解する上で重要な解であると考えられる。線形安定性など、この解の性質を詳細に分析することは今後の課題である。 平成26年度は、正方形ダクトにおいて得られた空間的局在解を用いて、アスペクト比をパラメータとするホモトピー法を実施し、アスペクト比の大きい矩形ダクトにおける空間的局在解を得ることを目標とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の目標であった、正方形ダクトにおける乱れが局在化したedge stateを求め、Newton-GMRES法により定常進行波解を得ることに成功し、本研究の進捗状況は概ね順調であると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた定常進行波解が出現する最小レイノルズ数と最大波数の特定と線形安定性解析を実施する。また、ダクト断面のアスペクト比をパラメータとして正方形ダクトにおける解から矩形ダクトにおける解へのホモトピー接続を試みる。
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