2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25889035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西尾 理志 京都大学, 情報学研究科, 助教 (80711522)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 無線LAN / 可視光通信 / アクセス制御 / VRMAC |
Research Abstract |
本研究は無線LANの性能向上を目標として、LEDとカメラを用いた無線LANアクセス制御メカニズムについて検討を行う。 平成25年度は基礎検討を行った。具体的には、LEDとカメラを用いた通信の性能調査、調査に基づく実現性能検討、プロトコル設計、および、数学モデルに基づく理論的性能解析およびシミュレーションによる性能評価を行った。 本研究では、LED-カメラ間の通信性能が全体の通信性能及びプロトコルの設計に大きく影響をおよぼす。そこで、文献調査によりLED-カメラ間の通信性能の下限と上限を明らかにし、実現性能検討を行ったところ、アクセス制御として用いるに十分な性能であるmsecオーダでの通信が可能であった。 このLEDとカメラの通信性能を考慮した上で、プロトコルの設計を行い、シミュレーション評価および理論解析を行った。理論解析では、実際の無線LANのパラメータ値を用いて検討し、従来の無線LANより性能向上することを示した。また、シミュレーションにはネットワークシミュレータを用い、TCP層まで考慮した評価を行い、本研究により、無線LAN性能が向上することを明らかにした。 さらに、無線LAN側の機能拡張に関する検討も行った。信頼性のあるマルチキャストプロトコルを設計し、シミュレーション評価を行った。マルチキャストは周波数利用効率向上への寄与が大きいが、信頼性の担保や制御に困難がある。今回は、無線LAN帯域のみを用いた解決法を提案したが、LEDとカメラを用いた通信や他の通信メディアを応用することで、メディアアクセス制御と同様、より性能向上できることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は単一無線LAN下でのLEDとカメラを用いたアクセス制御の検討を計画しており、成果としてアクセス制御プロトコルの開発を目標にしていたが、その目標通りの成果が得られたことから、おおむね順調に進展していると結論できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度、ネットワークシミュレータを用いて上位レイヤまで考慮した評価を行ったことにより、当初は予定していなかったTCP通信における問題点が明らかとなった。今後は、このTCP通信における問題点の解決、および、他の無線LANが存在する環境下への適応およびプロトコルの拡張を検討する。また、本研究で得られたノウハウを活かすため、カメラとLEDを用いた通信以外の通信技術をアクセス制御に応用することを検討する。
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