2013 Fiscal Year Annual Research Report
複合システムにおける非線形伝搬の、地理空間上の定量化・可視化の研究
Project/Area Number |
25889062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
杉田 暁 中部大学, 中部高等学術研究所, 研究員 (20650708)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 非線形伝搬 / 新エネルギー / 地理情報システム / 環境分析 / ビッグデータ / 国際情報交換 |
Research Abstract |
(1)複合システムの例として次世代バイオ燃料源の洋上プラント計画プロトタイプであるOMEGA計画を取り上げ、米Natural Capital Projectによって開発された、生態系サービスや環境指標を地図上に可視化するツールInVESTを利用した定常状態の生態系サービス評価GISデータ、及び環境評価GISデータの生成に取り組んだ。OMEGA国内候補地として愛知県衣浦湾を選定し、排水処理施設から排出される排水の量から、必要となるOMEGAモジュール数、及び港湾海水面占有面積評価を行った。また、そこから生産されるバイオ燃料の量を評価した。米University of Carifornia, Santa Cruzに出張し、OMEGA提唱者であるTrent博士と、OMEGAの日本国内候補地選定及び実現に関する詳細な研究打合せを行った。OMEGA実験候補地選定は、人類が直面しているエネルギー問題、環境問題へのアプローチとして、持続可能な社会を目指す上で重要である。 (2)複雑なシステムにおける非線形的な伝搬プロセスを定量化・可視化する手法を開発し、Plasma and Fusion Research誌に論文として投稿、出版した。具体的な内容としては、3次元トーラス座標におけるの乱流プラズマの径方向伝搬を例に取り、非拡散成分を抽出し、静的空間相関(オイラー相関)と動的空間相関(ラグランジュ相関)を定義し評価した。非線形的な伝搬長は、既存の相関評価指標であるオイラー相関では不十分で、ラグランジュ相関によって評価されることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)次世代バイオ燃料源の洋上プラント計画プロトタイプであるOMEGA計画について、候補地選定、及びその評価を行った。提唱者であるTrent博士とも綿密な情報交換を行いつつ、実現に向けて推進を始めた。 (2)複雑なシステムにおける非線形的な伝搬プロセスを定量化・可視化する手法を開発し、論文として出版した。
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Strategy for Future Research Activity |
リスクの非線形伝搬の具体例として、インフルエンザの伝線に関する、人の流れを考慮した地理空間上での可視化、及びそこからの伝播モデルの抽出を行う予定である。人の流れの情報として、電通、ゼンリンデータコムから15分刻みで記録された携帯電話位置情報ビッグデータDrafficの提供を受ける予定であったが、個人情報の扱いなどの問題から、現在Drafficデータの購入が困難となっている。引き続き電通、ゼンリンデータコムと協議の上できればDrafficデータを用い、もし不可能であれば代替の人の流れのデータ(東大人の流れプロジェクトデータ提供サービス等)を利用することを考える。
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