2013 Fiscal Year Annual Research Report
新型超伝導電機子の要素技術開発と回転機応用に関する研究
Project/Area Number |
25889064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Toba National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
都築 啓太 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 助教 (40713045)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 超伝導 / 電気子 / 交流 / 臨界電流 / 巻線 |
Research Abstract |
超伝導回転機は、銅コイルや永久磁石を用いた従来機と比べて、小型化・軽量化可能である事が最大の利点である。近年では、超伝導物質で作成したコイルや磁石を界磁部分に使用した電動機・発電機の開発プロジェクトが国内外の機関で推進されている。これらは低速運転時において高いエネルギー変換効率を享受することが可能である。我が国においてもメガワット級の大規模な超伝導回転機の実現に向けた取り組みにより、エネルギー問題の解決に賦与することが期待できる。 超伝導回転機を実現するにあたり、超伝導コイルを界磁子だけでなく交流電流が流れる電機子として用いる事ができれば更なる冷却構造の単純化と機器の小型化ができる可能性がある。本研究では電機子を超伝導化した全超伝導回転機の実現に向け、交流通電に関する要素技術を確立する。超伝導線材の電機子応用に関する信頼性が成立させることで界磁コイルと電機子コイルが超伝導材料で構成される全超伝導型同期回転機の実用化に向けた研究を行う。 初年度は、交流大電流の流すための超伝導交流増幅装置の作成と、交流電流下における評価システムの構築とそれに付随する冷却装置の立ち上げを行う。まず、電磁誘導を用いた交流増幅装置を作成する。また、超伝導交流増幅装置と液体窒素を用いて超伝導線材の交流電流条件下における評価を行う。極低温対応の温度センサを用いて観測を行い、記録された超伝導コイルの端子間電圧データと合わせた記録システムを独自に開発する。冷却装置として、圧縮ヘリウムガスを循環させて20 Kまで冷却可能なGM冷凍機の冷却水循環装置を調達し、冷却試験を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は計画通り、超伝導コイルの評価試験に必要な、極低温冷却装置の立上げ、電源装置の制作、温度・電圧等の評価装置の構築を完了した。動作検証のための予備試験においても十分な成果を上げている。これらの装置を用いた評価試験の実施と検証は今後の課題である。以上より研究は概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は研究環境の構築と評価試験のための要素技術基盤の確立を行った。来年度はそれぞれの装置を統合して極低温下における評価試験を実施する。交流電流下における超伝導線材および巻線したコイルの最適化のための実証評価試験を行う。また、超伝導応用技術に関する国際会議への参加や研究協力者との打ち合わせを行い、超伝導回転機の応用展開に関する研究調査を実施する。
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