2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25890005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大石 陽 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 研究員 (70554004)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 睡眠 |
Research Abstract |
広範である線条体領域を吻側、中央、尾側の3つに区分し、各領域の薬理遺伝学的活性化を行い、脳波・筋電図の測定に基づいて睡眠量の変化を測定した。領域の活性化は変異型ムスカリン受容体をリガンドclozapine-N-oxide (CNO)によって刺激し、下流のG蛋白シグナルを人為的に活性化させるDesigner Receptors Exclusively Activated by Designer Drugs (DREADD)システムを用いた。本研究ではアデノ随伴ウイルス(AAV)を用いて、変異型M3ムスカリン受容体(M3-DREADD)をA2ARプロモーター下でCreを発現するマウス(A2AR-Cre)の線条体に導入し、神経細胞特異的かつCre依存的に発現させ、CNOの腹腔内投与によりA2AR神経のGqシグナルを数時間活性化させた。その結果、吻側に発現させたマウスにおいて、CNOの投与は生理食塩水の投与に比べてノンレム睡眠量を増加させた。M3-DREADDの発現領域は、マーカータンパク質mCherryの免疫染色により、行動実験後に決定した。これらの結果は、吻側の線条体領域のA2AR陽性神経の活性化が睡眠を促進することを示唆している。さらにAAV-M3-DREADD-mCherryを吻側線条体に導入し睡眠測定に用いたマウスの脳全域をmCherry抗体で免疫染色し、吻側線条体のA2AR神経特異的な投射先の同定を試みた。その結果、吻側の淡蒼球に強い神経投射が見られることが明らかになった。この結果は、吻側淡蒼球もまた睡眠促進に重要である可能性を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
線条体内でその活性化が睡眠を促進する部位の候補を見出した。しかしながら、他の部位との比較がまだ十分ではないため、当初の達成度には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
吻側のみでなく、中央、尾側の線条体領域の活性化を行い、睡眠量への影響を比較検討するために必要な実験を行う。また、当初の予定通り、神経経路特異的活性化や、投射先での神経接続様式の決定を試みる。
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