2013 Fiscal Year Annual Research Report
視神経再生に必要なリプログラム遺伝子の新たな制御機構とそのマスター遺伝子の解明
Project/Area Number |
25890007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大貝 和裕 金沢大学, 健康増進科学センター, 助教 (40706983)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 視神経再生 / LIF / STAT3 |
Research Abstract |
我々ヒトをはじめとするほ乳類の中枢神経(脊髄や視神経など)は、一度損傷を受けると再生することはできない。一方、魚類の中枢神経は自然に再生することができる。我々は、「魚類には可能でほ乳類では不可能」な中枢神経再生のプロセスを魚類の面からアプローチすることで、最終的にはほ乳類の中枢神経に関わる遺伝子やタンパク質を発見する研究を行ってきた。 本研究ではそのような再生分子の一つとして「白血病阻止因子LIF」があることを発見した。LIFはゼブラフィッシュ視神経の損傷時には発現量が増加するが、ほ乳類の視神経損傷時には変化しない。平成25年度は、このLIFの発現が視神経損傷後3日をピークに上昇することと、その遺伝子の局在が予測したとおり網膜神経節細胞に限局していることを明らかにすることができた。さらに平成25年度の計画通り、LIFの下流シグナルであるSTAT3が、5日目をピークにして活性化することが明らかとなった。さらに、LIFのノックダウンによってSTAT3の活性化が抑えられる結果が得られた。 以上より、ゼブラフィッシュ視神経損傷後のLIFの発現上昇とSTAT3の活性化は計画通りかつ予想通りに明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に計画していた研究(LIFの遺伝子・タンパク質発現のタイムコースと局在の決定、STAT3の活性化タイムコースと局在の決定、LIFとSTAT3活性化の因果関係の解明)を計画通りに遂行でき、かつ当初の予想通りの結果が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究において、ゼブラフィッシュ視神経損傷後のLIF発現上昇とSTAT3活性化を明らかにできた。 平成26年度では、LIFが視神経再生に果たす役割を解明するために、ゼブラフィッシュ視神経損傷後にLIFのノックダウンを行った場合の視機能回復過程を定量的に評価する。もしLIFが視神経再生に何らかの役割を果たしているのであれば、LIFノックダウンで視機能回復は障害されるという結果が得られることが予想される。また、上記成果が得られた場合には、国際論文への投稿を予定している。
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Research Products
(2 results)