2013 Fiscal Year Annual Research Report
血漿中のIPMN関連miRNAを指標とした早期膵癌診断法の開発
Project/Area Number |
25890018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
森村 玲 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70448736)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 腫瘍診断学 |
Research Abstract |
2010年から2013年に当院で治療を行った膵癌と膵管内乳頭粘液腫瘍患者61症例と他施設で治療を行った30症例を用いた。また、対照として50例の健常人血漿を用いた。TORAYの3D-GENE miRNA microarray TORAYによる解析によって非担癌患者群と比して膵乳頭粘液腫瘍患者群の血漿中で上昇しているmicroRNA群を選出した。Validation解析はTaqMan assayを用いた。その結果、網羅的アレイ解析では、miR-223、575、615-5p、675、744の5候補が選出され、更にTaqMan assay によるtest scale 解析でmiR-223、744が選出された。当院の61例の患者血漿を用いたvalidation解析でも、miR-223、744ともに健常人血漿比して有意な発現上昇を認め(p<0.0001)、ROC曲線を用いた解析ではAUC値は各々0.75、0.81であった。術前血漿中miR-223、744高発現患者群の術後の血漿中濃度は有意に低下していた(p<0.01)。Double cohort studyとして他施設で治療を受けた患者30症例の解析でも、患者血漿でmiR-223、744ともに有意な発現上昇を確認した(p<0.01)。臨床病理学的因子との関連は、miR-223はTS1-2、T1-2、IPMC及びIPMC由来浸潤癌で有意に高値であった(p<0.05)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間内に明らかにしようとする内容として ①膵管内乳頭粘液腫瘍患者血漿中のmiRNA解析 ②膵管内乳頭粘液腫瘍組織の異型度別のmiRNA解析 ③患者血漿中の候補miRNAによる腫瘍動態の評価を確認 の3つを挙げていたが①③については結果がでており、今後は②についてさらなる実験を重ねる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
microarray解析で候補として選出したmiRNAに関して、血漿中と同様に組織においても段階的に発現上昇あるいは低下しているmi RNAを明らかにする。方法としては腫瘍部分のパラフィン包埋組織から、RNA抽出キット(Recover All Total Nucleic Acid Isolation Kit (Ambion)を用いてtotal RNAの抽出を行い、real-time RT-PCR法により候補miRNAの発現解析を行う予定である。さらに、実際の患者検体において、新たなbiomarkerの候補miRNA量をRT-PCR法を用いて測定し、その有用性を評価する。具体的には手術を施行した膵管内乳頭粘液腫瘍患者と健常人の血漿中のmiRNA量を比較し、候補miRNAの臨床的な有用性を評価する。さらに、術後の再発や予後との関係も評価する予定である。
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Research Products
(2 results)