2013 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類29種の内在性ウイルス配列の比較ゲノム進化解析
Project/Area Number |
25891023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中川 草 東海大学, 医学部, 助教 (70510014)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 内在性ウイルス / バイオインフォマティクス / 比較ゲノム / 分子進化 / データベース / ジャンクDNA |
Research Abstract |
本研究は哺乳類のゲノムに内在化したウイルス由来の配列(ERV/EVE)のデータベース作成と新規配列探索のプログラム作成を目指している。本年度はそのための基礎となる関連文献を収集し、記載されているERV/EVEのデータを分類して集めた。また、公共データベースで染色体構造が明らかになっている18種の生物種を対象として、既存の解析ツールを用いてERV/EVE配列を同定した。特にヒトゲノムについては最新のReference version(GRCh38)にも対応した。今後、解析の対象とする生物種などをゲノム配列のupdateに応じて増やす予定である。 現在までに同定したERV/EVEの中で、一定以上のアミノ酸をコードする配列を収集し、そのモチーフ配列を解析し、既知のウイルスの配列との相同性を調べた。また、それらの系統についても解析中である。同時に過去の文献などと照らし合わせてその分類も行っている(現在作業中)。 また、共同研究者らにマウス、ネコ、アカゲザルの生物種について新規に同定したERV/EVE配列を送付し、新規機能解析などの共同研究も開始した。内在性ウイルスに関連する研究としてコアラの内在性レトロウイルス(KoRV)の新種についての研究をFEBS Letters誌に報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
既知のプログラムを用いて大規模にERV/EVE配列の同定するシステムの構築を行ったが、そのための計算機の整備などに時間がかかってしまった。また、文献情報が膨大で記載されたデータをまとめることに想定以上の時間がかかっている。また、本研究と一部が関連する共同研究などが順調に進み、様々な結果が出てきたため、そちらにも時間がかかってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
解析の対象とする生物種について、共同研究者の研究対象なども鑑みて、最初のデータベース公開時には現在よりも減らす可能性も検討し、まず特定の生物種についてデータベースを作成し公開と論文として報告することを目指す。それ以降、解析の対象とする生物種の系統を増やし、データを拡充させ、かつ解析プログラムの作成も行う。 同時に共同研究によるERV/EVEの機能解析に関する研究は随時進めていき、ERV/EVEの新規機能の発見とそれらの知識整理につとめる。
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