2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25892018
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
木俣 有紀 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 研究員 (10706261)
|
Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
|
Keywords | 小胞体ストレス応答 / Ire1 / 出芽酵母 |
Outline of Annual Research Achievements |
小胞体は分泌タンパク質の折り畳みなどを行う細胞内小器官である。小胞体におけるタンパク質の折り畳みに不全を来すと、真核生物細胞はこの状態を解決すべく、小胞体内在性分子シャペロンなどの発現誘導を行う。これが小胞体ストレス応答(Unfolded protein response (UPR))である。出芽酵母細胞では、小胞体膜貫通タンパク質Ire1が小胞体ストレスセンサーとして働くことが知られている。Ire1は小胞体内腔で、構造異常タンパク質と直接相互作用してエンドリボヌクレアーゼとして機能する。Ire1の標的はHAC1 mRNAでこれをスプライシングすることにより、HAC1 mRNAは転写因子へと翻訳され、UPR解消のための遺伝子群の転写を誘導する。本研究ではサイトゾル側の要因や因子によりIre1の活性が変化する事例を取り上げ、そのメカニズムの解明に迫ることを目的とした。まず、ミトコンドリア機能不全がUPR減弱を引き起こす現象について検証した。ミトコンドリアの機能がUPRに何らかの影響を及ぼすことが予想されるので、ミトコンドリアで機能するタンパク質を欠損させ、UPRにどのような影響をもたらすのかを検討したい。また、ほ乳類や動物培養細胞においても膜脂質の恒常性破綻がUPRを引き起こすことが知られている。私の予備研究から、構造異常タンパク質と会合できなくなるIre1変異体も膜脂質の恒常性破綻によって活性化することが明らかとなり、このメカニズムの解明にも迫りたい。このため、膜脂質の恒常性破綻を引き起こした細胞で、Ire1と会合するタンパク質を同定しようと試みた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
出芽酵母Ire1と会合する蛋白質の同定を行うことができた。当初想定した以上にIre1と会合するタンパク質の候補を見いだすに至った。そのため、どのタンパク質を詳細な解析に持ち込むのかを絞り込むための研究を行う必要が出てきたため、予定よりやや遅れている状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず、同定した候補タンパク質のうち、どのタンパク質に絞り込むかの研究を行う。候補タンパク質の欠損株を用い、Ire1の活性にどのような影響がでるのかをUPRE-lacZリポーター解析を用いて検証する。その後、Ire1の活性に影響を与えるタンパク質と、Ire1との会合を再確認した後、詳細な解析を行う予定。
|
Research Products
(3 results)