2014 Fiscal Year Annual Research Report
コアコレクションを用いたダイズのセシウム蓄積性に関与する遺伝因子の探索
Project/Area Number |
25892029
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
高木 恭子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター土壌肥料研究領域, 任期付研究員 (40707634)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 育種学 / 遺伝学 / ゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、遺伝的多様性を少数の系統で評価できる「コアコレクション」を用いて、ダイズ子実のセシウム蓄積性に関する遺伝的多様性の調査を行うことにより、セシウム蓄積性に関与する遺伝因子の同定や低セシウム蓄積品種の開発に向けた手がかりを得ることを目的としている。 昨年度の「世界のダイズ」コアコレクションの解析により、種子中のセシウム濃度に遺伝的な多様性が存在する可能性が示唆されたことから、今年度は「日本のダイズ」コアコレクションも加えて、さらに詳細な調査を行った。3年間同一圃場で栽培した両コアコレクション種子の非放射性セシウム(133Cs)濃度を調査したところ、いずれの年も系統間に10倍程度の濃度差が認められた。また、圃場の区画を変えた場合に年次間相関が低くなる傾向はあったものの、いずれの栽培年の間でも有意な正の相関が認められた。一方、セシウムの蓄積にはカリウムの吸収・蓄積機構が関与すると考えられているが、セシウムとカリウムの種子中濃度には3年間共通する明確な関連性は認められなかった。ただし、セシウム濃度は開花まで日数と弱い正の相関を示したのに対し、カリウム濃度では負の相関が認められたことから、両元素の子実への蓄積は開花関連遺伝子の影響を受けている可能性が考えられる。さらに、上記の解析で安定したセシウム蓄積性を示した系統について、土壌性質の異なる圃場で栽培した種子を分析したところ、セシウム濃度は全体的に低くなったものの、各系統のセシウム蓄積性には再現性が認められた。 以上の結果より、種子中のセシウム濃度は栽培環境や開花までの日数の影響を受けやすい可能性があるものの、栽培年や場所に関係なく安定した蓄積性を示す系統が見つかったことから、ダイズ遺伝資源にはセシウム蓄積性に関する遺伝的多様性が存在すると考えられ、低セシウム蓄積系統の選抜やセシウム蓄積性の遺伝解析への利用が期待される。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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