2013 Fiscal Year Annual Research Report
表皮機能形成過程におけるオートファジーによる小器官リサイクル機構
Project/Area Number |
25893011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 隼也 東北大学, 大学病院, 医員 (30712195)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | オートファジー / 皮膚 |
Research Abstract |
研究課題1-A:オートファジー関連分子についてヒト皮膚の免疫染色を行った。正常皮膚では、オートファジーのkey moleculeであるLC3Bは表皮顆粒層でもっとも強く発現していた。また基底層でも染色が確認されたが、有棘層はほとんど染まらなかった。表皮の他、メラノサイト、毛包上皮、汗腺、脂腺といった付属器の腺細胞、毛細血管内皮細胞もよく染まっており、オートファジーが様々な物質合成に関与していることが改めて示された。乾癬やアトピー性皮膚炎といった表皮が肥厚する疾患においては、顆粒層での発現がより強くみられ、表皮肥厚による顆粒合成の亢進を反映していると考えた。有棘細胞癌では症例によって発現に差があり、腫瘍細胞の起源に由来する可能性が示唆された。 研究課題2-A:ヒト培養表皮角化細胞をToll様受容体(TLRs)刺激因子(リガンド)1-9で刺激した後RNAを抽出しrealtime-PCRを行ったところ、LC3Bについて、TLR9リガンドで細胞を刺激した際に発現が増強する傾向が見られた。ATG5、ATG12といったオートファジー関連分子の発現に変化は見られなかった。今後は高カルシウム培地で分化させたヒト培養表皮角化細胞で同様の実験を行い、オートファジーの変化を確認する予定である。 また、TLR9リガンドについては、ウェスタンブロット法による蛋白変動と、細胞組織染色による細胞内局在の確認を行う。また、共焦点顕微鏡を用いた免疫染色による観察を予定している。 これまでの観察でATG8がもっともオートファジー全体の活性を反映していると考えたため、同分子のアデノウイルスベクターを用いた強発現による顆粒合成への影響を観察する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に沿って実験を施行できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き計画に沿って実験を行う。
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