2013 Fiscal Year Annual Research Report
Cripto-1を標的とした大腸癌個別化治療法の確立
Project/Area Number |
25893013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
唐澤 秀明 東北大学, 大学病院, 助教 (30547401)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 個別化医療 / Cripto-1 |
Research Abstract |
現在までに38例の大腸癌切除標本の免疫染色を行った。ROckland社の抗Cripto-1抗体を用いて施行したが、22例(58%)でCripto-1陽性を示した。予想通り、大腸正常粘膜ではほとんど染色性を認めず、癌治療標的としての適性を満たしていると考える。Cripto-1陽性例・陰性例において予後を検討した所、5年生存率・無再発生存率では有意差は認められないものの、Cripto-1陽性例で予後の悪い傾向が認められた。今後140例を目標に解析数を増やし、予後やその他の臨床情報との関連を検討し、Cripto-1高発現症例を対象に検討を進めることの是非を明らかにしたい。 また、in vivo実験を見据えて、Invitrogen社のBLOCK-iT Pol II miR RNAi Expression Vector Kitsを用いて、Critpo-1安定発現抑制大腸癌細胞株を樹立を試みている。現在Cripto-1高発現・高リンパ節転移細胞株である大腸癌細胞株HT-29においてはほぼ作製が終了している。あと2種の大腸癌細胞株でも同様に発現抑制細胞株を作成する予定である。この発現ベクターはGFPも組み込まれた発現ベクターであり、腫瘍形成・転移能の評価・追跡にも有用であると考える。安定した発現抑制が確認できれば、まずin vitroにて細胞増殖・浸潤能を評価後、免疫不全マウスを用いた移植実験に移る予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、免疫染色を遂行している。また次ステップのin vivo実験に備えた安定発現抑制細胞株の作製にも取りかかっており、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫染色を100例目標に施行し、Cripto-1発現と臨床病理学的因子との関連を明らかにする。そこで導き出された結果に基づき、適切なin vitro, in vivo実験を行い、大腸癌におけるCripto-1発現の意義を明確にし、治療標的としての適性を検討する予定である。
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