2013 Fiscal Year Annual Research Report
矯正的歯の移動モデルを用いた歯根膜でのScleraxisの発現解析
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25893020
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川津 正慶 東北大学, 大学病院, 医員 (70712925)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | Scleraxis / 歯根膜細胞 / メカニカルストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
歯根膜は歯槽骨と歯のセメント質を連結するⅠ型コラーゲンの豊富な靭帯組織で、口腔内において常に機械的刺激に曝されている。歯根膜中の歯根膜線維芽細胞は多分化能を有し、歯周組織の維持だけでなくリモデリングや再生に関与すると考えられているが、その分子機構は明らかにされていない。矯正歯科治療における歯の移動は、継続的なメカニカルストレスを介することで達成される。矯正力が負荷された歯根膜とその周囲歯槽骨では牽引領域および圧迫領域を生じ、歯根膜と歯槽骨のリモデリングを伴う。歯根膜中の歯根膜線維芽細胞はメカノセンサーを有しており、牽引力や圧迫力といった機械的刺激に応答して、様々な遺伝子発現の変化が引き起こされることが知られている。Scleraxis(Scx)は腱・靭帯形成領域で発現するbasic helix-loop-helix型転写因子であり、歯根膜でも発現していることを知られている。本研究では、歯根膜における、Scxの発現制御機構を明らかにするため、Scxの発現領域でGFPを可視化できるScxGFP transgenic (Tg)マウスを使用した。Waldo法により歯に矯正力を与え、力学的負荷に応答した歯根膜でのScxの発現レベルの変化を検出し、さらに各種シグナリング分子の活性化についても解析した。また、培養歯根膜細胞に伸展刺激を与え、動物モデルで得られた結果のメカニズムに関して詳細に解析を行った。 動物モデルでは歯根膜の牽引側ではScxの発現は有意に上昇し、圧迫側では低下した。牽引側ではScxの上昇に先立って、Smad3のリン酸化の亢進が認められた。また培養歯根膜細胞においてもTGF-β2添加によってScxの遺伝子発現の上昇、およびSmad3のリン酸化が認められたことから、牽引力によるScxの発現上昇は、TGF-β/Smad3シグナリング経路を介して調節されていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
伸展力負荷実験に際して、当初の予測に反して再現性が得られないことが判明したために、歯根膜細胞の培養条件および伸展条件を再検討する必要が出てきたため。
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Strategy for Future Research Activity |
歯根膜細胞に対する最適な伸展刺激の条件が確立したら、Scleraxisの遺伝子発現がどのように変化するか検証する。
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Research Products
(1 results)