2013 Fiscal Year Annual Research Report
末梢神経損傷に対するiPS細胞由来Schwann細胞移植の効果
Project/Area Number |
25893035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山内 かづ代 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (30648069)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | iPS細胞 / NCSC / Schwann細胞 / 末梢神経損傷 / 神経再生 |
Research Abstract |
外傷等による末梢神経損傷は時に麻痺や知覚脱失・鈍麻などの重篤な後遺症を残すが,これまでの研究で損傷した神経に対する神経幹細胞移植やSchwann細胞移植の効果が示されている.細胞移植に向けて簡便かつ安定した方法での細胞の供給が求められている。そこで平成25年度の目的は,人工多能性幹細胞(iPS細胞; induced pluripotent stem cell)からfeeder cellを用いずに神経堤幹細胞(NCSC; neural crest stem cell)を分化誘導させることである。 ヒトiPS細胞を,Matrigelコーティングしたプラスチックディッシュ上でips maintenance medium を用いて単層培養を施行.その後,GSK3 inhibitorおよび SB431542を含むNeural crest differentiation medium にて培養しNCSCに約7-10日で分化させた。分化の指標としてNCSCのマーカーであるp75, Hnk1、hiPSのマーカーであるSox2について免疫細胞化学染色を行った(n=3)。 iPSでは幹細胞マーカーであるsox2が陽性(陽性率>99%)、神経系マーカーであるp75が陰性(陽性率0%)なのに対し、NCSCではSox2が陰性、p75が陽性(陽性率65±9%)を示した。このことから、iPSがNCSCへ分化したことが示唆された。 feeder cellを用いない簡便な方法でiPS細胞からNCSCへ分化させることに成功した。iPS由来NCSCの移植は末梢神経損傷治療への効果が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒトiPS細胞を,Matrigelコーティングしたプラスチックディッシュ上でips maintenance medium を用いて単層培養を施行.その後,GSK3 inhibitorおよび SB431542を含むNeural crest differentiation medium にて培養しNCSCに約7-10日で分化させた。分化の指標としてNCSCのマーカーであるp75, Hnk1、hiPSのマーカーであるSox2について免疫細胞化学染色を行った(n=3)。この際、iPSを継代培養する際の細胞数の調整に日時を要したため、当初の予定日数より進行が送れた。 iPSでは幹細胞マーカーであるsox2が陽性(陽性率>99%)、神経系マーカーであるp75が陰性(陽性率0%)なのに対し、NCSCではSox2が陰性、p75が陽性(陽性率65±9%)を示した。このことから、iPSがNCSCへ分化したことが示唆された。分化誘導させる際、当初は手技が安定しなかったため、細胞の生存率を保たせることが困難であり、予定日数より時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
1)NCSCを継代培養した後、CNTF, Nrg, cAMP添加にてSchwann細胞に分化させる。分化の指標として、免疫細胞化学染色にてSchwann細胞のマーカーであるS100, GFAP, MBP陽性であることを確認する (Lee et al. Nature biotech.2007)。分化させたSchwann細胞(以下dScC)中のNGFをELISAまたはwestern blottingで発現を確認する。さらにdScCとPC12細胞を共培養し、神経様突起の伸長を評価する。対照はNCSC, primary Schwann細胞(以下pScC), NGF20nMとし伸長を比較検討する。 2)末梢神経損傷モデルにおける細胞移植評価: 免疫不全マウスを用いた坐骨神経圧挫モデルを作成、作成7日後に方法1で分化させたdScCまたはpScCまたはNSCSをscaffoldに包埋し損傷部に移植する。dScC群、pScC群、NCSC群、vehicle(scaffoldのみ)群、sham群の5群間で、移植後3日、1週、2週、4週、8週における行動評価を行う。 行動評価はvon frey test, Cat walk等にて感覚評価、運動評価を行っていく。坐骨神経損傷・移植部のHE染色、トルイジンブルー染色等で、炎症細胞の浸潤や形態変化を評価し、免疫学的にはマクロファージ系、単球系の炎症細胞マーカーを用い拒絶反応の評価を行う。western blottingまたはRT-PCRにてNGFの変化を定量し移植細胞の生物活性を評価、免疫組織学的染色にて髄鞘形成のマーカーであるMBP, P0を同定し評価する。また、6ヶ月後、12ヶ月後の組織標本を作製し、奇形腫等の腫瘍形成の有無を確認し臨床応用を念頭において評価する。
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Research Products
(1 results)