2014 Fiscal Year Annual Research Report
褐色脂肪細胞におけるASK1経路の機能解析および新規生理的意義の解明
Project/Area Number |
25893036
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
服部 一輝 東京大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (40708575)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | ASK1 / Ucp1 / 褐色脂肪 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨今の飽食の時代に蔓延している「肥満」に対抗する手立ての一つとして、近年褐色脂肪細胞に注目が集まっている。一般的に広く認識されている白色脂肪細胞とは異なり、褐色脂肪細胞は熱産生を伴いながらエネルギーを消費する。そのため、褐色脂肪細胞の分化誘導や活性促進が一つの治療戦略になり得ると考えられている。 我々が長年詳細な検討を行ってきたASK1は、リン酸化カスケードの一部を担うことによって様々な場面で多様な生理応答を導くことが知られている。我々は本研究において、新たにASK1が脂肪組織に高発現していることを見出し、トランスクリプトーム解析などから、脂肪組織における遺伝子発現に対してASK1が寄与していることを見出した。 続いて詳細な検討を行うべく、初代培養の褐色脂肪細胞を用いた実験系を構築した。その結果、分化過程においてPKA-ASK1-p38経路が活性化し得ること、そして当該経路の活性化依存的にUcp1をはじめとするいくつかの遺伝子発現が制御されていることを明らかとした。さらに、今回見出した経路の個体レベルでの重要性を検討すべく、ASK1欠損マウスを用いた解析を行った。各種検討の結果、褐色脂肪細胞の成熟化抑制、および褐色脂肪組織の活性抑制が観察された。 すなわち、PKA-ASK1-p38経路の活性化依存的な褐色脂肪細胞の成熟化が個体のエネルギー恒常性維持に寄与しているということが、本研究によって明らかになったと言える。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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