2013 Fiscal Year Annual Research Report
変異型ABCD1の細胞内挙動を制御する新規副腎白質ジストロフィー治療薬の開発
Project/Area Number |
25893038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
三澤 隆史 国立医薬品食品衛生研究所, 有機化学部, 研究員 (40709820)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | ABCD1 / ファーマコロジカルシャペロン / 副腎白質ジストロフィー |
Research Abstract |
副腎白質ジストロフィー(adrenoleukodystrophy;以下 ALD)は先天的な脂質代謝異常によって脱髄が起こるぺルオキシソーム病の一種である。特定疾患として指定された難病であり、有効な治療法は未だ確立されていない 。近年、ALD患者に関する研究から、ALD患者はABC (ATP-binding cassette)トランスポーターの一種であるABCD1 に変異を有していることかが明らかとなった。各変異型 ABCD1 は変異によりタンパク質の安定性が低下し 、プロテアソーム依存的に分解されることや正しい細胞内局在を示すことができず、機能低下を示すことが報 告された。本研究では、これら細胞内挙動を修正するファーマコロジカルシャぺロンの概念を基盤として、変異型 ABCD1 の細胞内発現量や局在を修正する新規 ABCD1 リガンドの創製を目的とする。これまでに報告されている変異型ABCD1プラスミドの作成を行ってきた。具体的には、局在の異常が認められるA616T(616番目のアラニンがスレオニン) や R660W(660番目のアルギニンがトリプトファン)変異体を鋳型の野生型ABCD1からmutagenesisすることで作製した。 また、今後の活性評価簡便化のため、各ABCD1のN末にGFPを導入したプラスミドを設計、作製した。最後に、作製したプラスミドの発現確認を行ったところ、変異体を発現させた細胞内では蛍光強度の減少が顕微鏡観察で確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プラスミドの作製に予定依りも時間がかかってしまった。当初の予定では化合物のスクリーニングとその構造展開までを予定していたが、その目標には現在到達していない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の予定としては、作製したプラスミドの発現系でスクリーニングを行い、変異型ABCD1の発現量を増加させる化合物の探索を行う。目的の化合物が見出された場合、その構造展開を行い、構造活性相関を明らかにする。最終的にはメカニズム解析を行い、見出した化合物がファーマコロジカルシャペロンとして機能していることを明らかにする。
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