2013 Fiscal Year Annual Research Report
炎症・ストレスシグナルを介したNASH発癌機構の解明と治療応用への基礎的検討
Project/Area Number |
25893042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中川 勇人 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00555609)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | NASH / 肝癌 / ERストレス / 炎症 |
Research Abstract |
1. 高脂肪食負荷MUP-uPAマウスに対してERストレス軽減薬タウロウルソデオキシコール酸を投与することによってNASHが改善することがわかり、本マウスの病態においてER stressが重要な役割を果たしていることがわかった。現在発癌への影響を検討中である。また、さらに詳しくメカニズムを解明するため、各種ER stressシグナルの遺伝子改変マウスとの交配を進めている。 2. MUP-uPAマウスをTNFR1欠損マウスと交配させると、肝臓の脂肪化や炎症、肝癌の発生いずれも抑制されることがわかり、本マウスモデルにおいてTNFシグナルがNASHの病態悪化に関与していることが明らかとなった。 3. 一方でMUP-uPAマウスとTNFa欠損マウスとの交配では非常に小型の病弱なマウスしか生まれなかった。おそらくTNFシグナルを完全に欠損させると若年期の急性肝炎からの回復がうまくいかないためと思われた。本マウスを実験に使用することは断念した。 4. TNFシグナルの役割を腫瘍内と微小環境とで別々に解析するため、化学発癌剤DENを投与した野生型およびTNFR1欠損マウスから腫瘍前駆細胞を分離し、MUP-uPAマウスおよびTNFR1欠損MUP-uPAマウスに移植した。その後高脂肪食を投与中である。 5. TNFシグナルが治療標的となりうるか検討するため、腫瘍前駆細胞を移植したMUP-uPAマウスにTNF阻害剤Enbrelを投与中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスモデルによる検討については概ね計画通りに進んでおり、順調に進行している。ただし臨床検体を用いた検討はまだほとんど行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
現在さまざまなマウスモデルの経過観察中であり、多くのものは近いうちに結果が判明する。次年度はそれをもとにさらにメカニズム解析をすすめていく予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Loss of liver E-cadherin induces sclerosing cholangitis and promotes carcinogenesis.2014
Author(s)
Nakagawa H, Hikiba Y, Hirata Y, Font-Burgada J, Sakamoto K, Hayakawa Y, Taniguchi K, Umemura A, Kinoshita H, Sakitani K, Nishikawa Y, Hirano K, Ikenoue T, Ijichi H, Dhar D, Shibata W, Akanuma M, Koike K, Karin M, Maeda S
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A.
Volume: 111
Pages: 1090
DOI
Peer Reviewed
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