2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規肝切除後肝再生促進・癒着防止療法の開発:大型動物モデルを用いて
Project/Area Number |
25893052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
稲垣 冬樹 東京大学, 医学部附属病院, その他 (70529015)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 再生医学 / 外科 / 移植・再生医療 |
Research Abstract |
原発性肝がん・転移性肝がんに対する治療法として「繰り返し肝切除」が生存期間の延長や根治を期待しうる方法としてその有効性が広く認められている。しかしながら「繰り返し肝切除」をおこなう際の問題点として、前回手術後の癒着と残存肝の再生能の低下という2つの問題点が挙げられる。術後癒着は一般的には腸閉塞や慢性骨盤痛、腹痛、不妊などの原因となるほか、再肝切除時には癒着剥離操作が加わることで手術操作が煩雑となり、手術時間の延長や出血量の増大、合併症の増加といったリスクをもたらす。術後癒着を防止するために様々な高分子吸収性癒着防止材が使用されているが、肝切除後の癒着防止効果についての齧歯類を用いた検討では、その効果は不十分であり、新たな癒着防止策を開発する必要がある。また残存肝の再生能低下は術後肝不全のリスクを高めるため、現実問題として「繰り返し肝切除」を行える回数は有限回であり、切除可能な肝臓の容積も制限されていく。これらの要因を解決することで実際の切除率が上がり、更なる患者予後の改善につながることが期待される。本研究ではミニブタ肝切除後癒着モデルを確立し、新たな肝切除後肝再生促進・癒着防止療法を開発する。これまでミニブタから様々な部位の細胞を採取して培養をおこなった。さらに温度応答性培養皿上で培養をおこない、細胞シートを作成するとともに、肝再生促進効果・癒着防止効果についてin vitroの系での検討をおこなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミニブタ肝切除モデルを用いての肝再生促進効果や癒着防止効果についてin vivoでの検討はまだおこなっていないが、一方で培養法の確立や細胞シートの作成、in vitroにおける肝再生促進効果の検討などは進んでおり、おおむね順調に研究が進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は引き続き、培養法のさらなる改良をおこなって様々な細胞シートを作成し、In vitroの系でその肝再生促進効果・癒着防止効果効果を評価する。最終的に優れた効果を持つと思われる細胞シートをミニブタ肝切除モデルに対して移植して、肝再生促進効果や癒着防止効果についてin vivoでの検討をおこなう。
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Research Products
(4 results)