2013 Fiscal Year Annual Research Report
骨固定源を応用した成長期における新規顎矯正歯科治療法の開発
Project/Area Number |
25893072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
伊藤 洋介 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (50706918)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 歯学 / 矯正学 |
Research Abstract |
1.目的:近年、成長期に上下顎骨へミニプレートを埋入し、顎間牽引を行う顎矯正治療法Bone anchored maxillary protraction(BAMP)の臨床報告がなされているが、その効果に関する動物実験的検証はなされていない。そこで、BAMPの動物実験モデルを構築し、顎顔面形態の変化について解析を行った。 2.資料および方法:100日齢(Day -20)の雄性ビーグル幼犬6匹を用い、上顎両側後臼歯部と下顎両側前臼歯部にミニプレートを埋入した。120日齢(Day 0)から180日齢(Day 60)まで顎間牽引を行い(牽引群;n=3)、牽引しなかった対照群(n=3)と比較した。また、頭部X線規格写真を経時的に撮影して資料として用いた。解析はフランクフルト(FH)平面を基準平面として距離計測と角度計測を行った。距離計測は各計測点をFH平面上へ投影して行い、In(Inion)とN(Nasion)の投影距離を基準とし、それに対するInとPr(Prosthion)またはId(Infradentale)の投影距離の百分率をそれぞれ上下顎骨の前後的評価項目(In-Pr%、In-Id%)とした。角度計測にはFH平面と上下顎第一切歯歯軸とのなす角(U1-FH、FMIA)を用いた。統計学的解析にはMann-Whitney U-testを用いて、両群間を比較した。 3.結果、考察:60Dayで、距離計測にてIn-Pr%は牽引群で有意に大きかったが、In-Id%は有意差を認めなかった。また、角度計測では牽引群においてU1-FH、FMIAはともに有意に小さかった。以上の結果より、BAMPにより上顎骨の前方成長促進および上下顎切歯の歯性補償が生じたと考えられ、BAMPの動物実験モデルにて上顎骨の前方成長に対する促進効果を認め、BAMPの臨床的有用性を支持する結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験施設の工事改修に伴い、実験の進捗がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、平成25年度の実験計画のうち、年度内に遂行できなかった解析を行う。 また、平成25年度に確立した動物実験モデル系を用いて、引き続きミニプレートの埋入部位をII級治療へ応用し、下顎骨の前方成長促進を想定した部位に変更し、その後、同様に牽引群・対照群の2 群を設けてミニプレート間での牽引の効果について比較検討を行う。その後、牽引方向・牽引期間・牽引力・保定期間やその有無などの条件設定を工夫変更し、BAMP において治療効果に影響を与える因子についての詳細な検討を行う。 また、並行して同分野において検討しているOnplant を用い、Onplant をBAMP に応用するための予備実験を行う。具体的には、100 日齢のビーグル犬を用い、Onplant の上下顎骨への埋入や加重付加実験を行い、評価検討を行う。その後、本実験として平成25年度と同様の方法にてOnplant を埋入し、牽引群・対照群の2 群を設けて牽引の効果についてミニプレートを用いた群と比較検討を行う。
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