2014 Fiscal Year Annual Research Report
乱用薬物として流通している合成カンナビノイドの化学構造と体内動態の相関解析
Project/Area Number |
25893089
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
財津 桂 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30700546)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 合成カンナビノイド / 代謝 / 法中毒 / 分析化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
構造の異なる3種類の合成カンナビノイド(JWH-018、AM-2232およびMAM-2201)をラットに投与(n=4)し、経時的に血液・臓器等を採取し、合成カンナビノイドの体内動態を追跡した。 実験方法:Wister系ラット(雄性、6週齢、体重186-225g、n=4)に3種類の合成カンナビノイド(JWH-018・AM-2232・MAM2201)を5mg/kgになるように腹腔内投与した。投与直後および投与後6、24時間後に解剖を行い、脳・肝臓・心臓・血液を採取した。得られた血液は全て血漿試料とし、全ての試料は分析時まで-20℃で冷凍保存した。分析装置としてLC-Q-TOFMSを使用した。定量分析には内部標準法を用い、内部標準物質としてJWH-210、MAM-2201-d体を用いた。 結果:各薬物について、0~6時間における血中濃度の低下速度は6~24時間と比較すると著しく大きいことが明らかとなった。この結果、合成カンナビノイドは体内への分布が速やかに進むこと、もしくは速やかに代謝が進むことが示唆された。また、投与直後の時点での各薬物の血中濃度にも大きな差異が見られた。特に、MAM-2201とAM-2232に関しては、投与直後における血中濃度に約7倍の差が観察された。さらに、AM-2232に関しては、投与直後の血中濃度が他と比べても低く、24時間後においては定量限界以下まで濃度が低下した。以上の結果から、合成カンナビノイドは基本骨格が同じであるにも関わらず、置換基の違いによって血中濃度に明確な差が生じることが示された。すなわち、官能基のわずかな違いが体内動態に大きな差異を生じることが示唆された。さらに現在、血中濃度の変化にくわえて、脳・肝臓・心臓の解析を行っており、この結果から各薬物の詳細な体内動態を考察することが可能になると考えられる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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