2014 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣癌幹細胞のstemness維持機構を標的とした新規治療法の開発
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25893094
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三井 寛子 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (70571339)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / 腹膜播種 / 癌幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
癌微小環境において、癌関連線維芽細胞cancer associated fibroblast(CAF)の重要性が注目されているが、その起源および機能については未だ不明な点も多い。我々は、卵巣癌の腹膜播種において、腹膜中皮細胞がCAFに類似した働きを示し、癌の進行を促進している可能性について検討した。卵巣癌細胞と腹膜中皮細胞との相互作用、さらに腹膜中皮細胞が産生する血管内皮増殖因子vascular endothelial growth factor(VEGF)について検討した。 学内倫理委員会の承認のもと文書による同意を得て,手術検体より腹膜中皮細胞を分取し、TGF-β1(transforming growth factor-β1)、卵巣癌細胞株の培養上清、腹水を添加し,形態変化を評価した。正常中皮細胞とTGF-β1の添加により形態変化した中皮細胞に対しマイクロアレイ解析を行った。正常中皮細胞と形態変化した中皮細胞の培養上清中のVEGF濃度をELISAにて測定した。腹膜中皮細胞は、TGF-β1、卵巣癌細胞株の培養上清、癌性腹水の添加により敷石状から線維芽細胞様に変化し、EMTマーカーおよびCAFマーカーであるαSMAの発現が上昇した。 敷石状の中皮細胞と線維芽細胞様の中皮細胞とをマイクロアレイにて解析した。線維芽細胞様形態の中皮細胞では、IFG-1,2、HB-EGF、PDGF、VEGF-Aの発現亢進がみられた。線維芽細胞様形態の中皮細胞は,正常中皮細胞に比してVEGFの分泌が著明に亢進しており、その値は卵巣癌細胞株からのVEGFの分泌よりも著明に高値であった。 卵巣癌腹膜播種において、腹膜中皮細胞と卵巣癌細胞の相互作用の抑制が腹膜播種の血管新生を阻害し、新規治療法につながる可能性がある。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)