2013 Fiscal Year Annual Research Report
口腔内エキソソームを介したタンパク分泌の扁平上皮癌増殖・浸潤における役割
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25893124
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
沢井 奈津子 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 研究員 (10403031)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | エキソソーム / 扁平上皮癌 / FABP / 増殖 / 浸潤 / 転移 / siRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
エキソソームは細胞から分泌される小胞であり、近年、細胞間での情報の伝達に重要な役割を果たすことが指摘されている。しかしながら口腔癌領域においては、エキソソームの果たす役割についての研究は少ない。これまでに私は、口腔扁平上皮癌にある種のタンパク質が異所性に高発現していることを確認した。更にこのタンパクがエキソソームを介して分泌される可能性があることも見出した。本研究は、私が見出した扁平上皮癌に異所性に高発現しているタンパクがエキソソームによって分泌され、他の癌細胞に情報を伝達することにより癌の増殖・浸潤・転移を制御しているかどうかについて明らかにすることを目的としている。 実際にこれまでの研究から、この異所性に発現しているタンパクがFatty acid-binding protein (FABP) であることが患者サンプルを用いた解析から明らかになった。さらにFABPのうちでも特にFABP4が高発現していることが明らかになった。エキソソームに含まれるタンパクで、しかもそれが扁平上皮癌の癌部で特異的に高発現しているという知見は新規のものであり、非常に興味深いと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに口腔扁平上皮癌において、Fatty acid-binding protein (FABP)4が高発現していることを患者サンプルを用いた解析から明らかにした。さらにFABPのうちでも特にFABP4が高発現していることが明らかになった。患者サンプルの収集に若干の遅れが生じてはいるが、そのほかの点ではおおむね計画通りに進展しているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は患者サンプルの例数を増やし、より詳細な解析を行うとともに、FABPのノックダウンによる癌細胞の増殖抑制、およびそのメカニズムについての検討を行う。さらに得られた成果を学会発表、ならびに論文発表という形で広く公表することを目的として研究を進めていく。
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