2014 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌の治療標的としての転写制御因子NAC1とその下流遺伝子群の基盤研究
Project/Area Number |
25893136
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
中山 真美 島根大学, 医学部, 特別協力研究員 (60713188)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 膵がん / NAC1 / がん関連転写制御因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵がんは生物学的悪性度の高い疾患で、発見時の切除率は低く、切除後の再発率も高い。そのため、新しい治療標的の発見を視野に入れた、分子生物学的に腫瘍特性を解析した研究は非常に重要であり、かつ切望されている。申請者がこれまで研究してきた卵巣がんなどの結果とは異なり、正常膵組織の膵管上皮にNAC1の発現は認められ、がん部のNAC1低発現群において静脈侵襲度やリンパ節転移率が高く、無病生存期間および全生存期間がともに不良であった。さらに、膵がん細胞株MIA PaCa-2およびPANC-1においてNAC1の発現を抑制したところ浸潤能が有意に亢進した。NAC1が転写制御因子であることを考えると、がん種間において下流遺伝子が異なっており、膵がんにおいてNAC1は下流遺伝子を制御して細胞浸潤能に関与していると考えられた。本研究により、 1. NAC1のC末端に存在するBEN領域が、DNAと直接結合する能力を有することを明らかにした。 2. 二本鎖ランダムオリゴDNAおよびPCRスクリーニングによりDNA認識配列を同定した。 3. NAC-1は細胞内において350-450kDaの複合体として転写制御因子複合体として核内に存在していることを明らかにした。 4. siRNAノックダウン細胞株を用いたマイクロアレイ解析を行い比較解析により同定し、さらにそのプロモータ領域に1で同定したNAC1の認識配列を有する候補下流遺伝子について、実際クロマチン免疫沈降法によりNAC1とDNAとの結合を確認した。候補遺伝子のsiRNAを行いマトリジェルを用いた細胞浸潤能への影響を検討したが、細胞浸潤能を制御するNAC1の真の下流遺伝子は現在まだ同定できていない。 現在、論文を作成中である。今後さらに研究を進め、膵がんの細胞浸潤能を制御するNAC1の下流遺伝子群を同定解析し、治療標的への応用を目指す。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)