2013 Fiscal Year Annual Research Report
エイズ細胞侵入蛋白を利用したTNBC悪性化を司るマスターシグナル伝達分子の同定
Project/Area Number |
25893153
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
渡邉 健司 山口大学, 大学研究推進機構, 助教 (50711264)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | TNBC / TAT protein |
Research Abstract |
本研究では、乳ガンの中でも予後が不良と考えられているトリプルネガティブ乳ガン (TNBC) に着目し、分子標的となりうるマスターシグナル伝達物質の同定を目的として検討を行った。 1、(TNBC モデル細胞株の培養・タンパク質抽出) まず、TNBC 細胞株 MDA-MB 細胞からのタンパク質の抽出を行うため、MDA-MB 細胞をDMEM培地で大量培養し、合計20L の細胞を保存した。次に、タンパク質を抽出するため、0.1% の Triton-X を含む緩衝液を加え可溶化した。また、オルガネラに含まれるタンパク質もできるだけ多く回収するため、超音波粉砕機で細胞を溶解した。その後、遠心分離を行い、上清を回収した。2、(イオン交換カラムによる抽出タンパク質の精製) 抽出タンパク質を精製するため、FPLC (Bio-CAD) に大量精製用の陰イオン交換カラム Hi-Trap HQ カラム (GE ヘルスケア)を接続し、細胞可溶化タンパク質を移動相の溶媒で希釈したタンパク質溶液をカラムに注入した。できるだけ多くのタンパク質を吸着させるため、移動相はpH8.0に合わせ、すべての溶出液を2 mLずつ分画し、回収した。3、(タンパク質画分の脱塩・濃縮) 分画したフラクションを限外ろ過に通して溶液を交換し、脱塩後、10倍濃縮した。濃縮サンプルを活性測定のサンプルとした。4、(HIV TAT タンパク質を利用した細胞へのタンパク質の導入) HIV ウィルスに発現しているTAT (Trans-activator of transcription) タンパク質の性質を利用し、細胞内に分画したタンパク質を導入する。また、タンパク質を導入した細胞のインピーダンスを測定し、増殖活性を測定する。現在、分画したフラクションを用いたタンパク質導入の条件検討を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度の計画では、TNBC 細胞から、タンパク質を抽出し、タンパク質を分画後、TAT タンパク質を用いたシステムでタンパク質を導入後、活性測定を行う予定であった。しかしながら、タンパク質を分画する過程で重要な FPLC の機械の故障により、実験がしばらく中断してしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成25年度、26年度以降の計画に従い、TNBC 細胞からのタンパク質の抽出・分画・精製後、細胞内に導入し、増殖活性を示す画分を同定する。また、増殖活性を示した画分の中で、 key となるタンパク質を同定し、アミノ酸配列、DNA 配列を確認する予定である。
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