2013 Fiscal Year Annual Research Report
FGF18と骨微小環境模倣性スキャフォールドを用いたiPS細胞による骨再生医療
Project/Area Number |
25893157
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小林 真左子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (90706954)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | iPS細胞 / スキャフォールド / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
iPS(induced Pluripotent Stem)細胞はあらゆる細胞に分化可能な細胞で、骨再生医療への応用が期待される。しかし、iPS 細胞の効率の良い骨芽細胞への分化誘導法は開発されておらず、よって、in vivo で骨組織を再生するには至っていない。本研究では、多分化能を持つiPS 細胞と、iPS 細胞の未分化維持に必要である反面、骨再生過程において骨芽細胞分化、破骨細胞形成に関与する線維芽細胞増殖因子(FGF)、および再生医療において重要なファクターであるスキャフォールドを利用し、骨芽細胞を効率的に誘導することを考えた。 本年度は、まず、iPS細胞の維持培養を確立した。ヒトiPS細胞は理化学研究所より購入し、MEF細胞をフィーダーとして培養し、iPS細胞の未分化能を確認した。また、フィーダーレス培養も行い、未分化能を確認することができた。さらに、フィーダーフリーで培養したiPS細胞を骨分化誘導培地で3週間培養し、骨芽細胞への分化誘導を検討したところ、石灰化ノジュールが確認できたが、分化効率はあまりよくなかった。 続いて、われわれがスキャフォールドとして注目しているカーボネイトアパタイト顆粒を含有した骨分化誘導培地でiPS細胞を培養したところ、細胞増殖が抑制されたものの、一部のiPS細胞は顆粒に接着し、石灰化が誘導されていることが確認された。今後は、FGF18を添加することで、細胞増殖を促進するとともに、骨芽細胞分化誘導効率を向上させ、in vivo実験に応用することを考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
iPS培養法を確立することはでき、骨芽細胞に分化させることはできた。しかし、FGF18を応用するに至らなかった。今後、濃度、添加するタイミングなど、条件検討をして研究を進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
FGF18を添加する条件検討を行い、カーボネイトアパタイトを含んだ骨芽細胞誘導培地でiPS細胞を培養し、骨芽細胞への分化誘導効率が上昇するか検討を行う。 さらに、カーボネイトアパタイトのみならず、炭酸アパタイト、およびハイドロキシアパタイト顆粒についても、in vivoでヌードマウス皮下に移植し、骨組織が再生されるか、microCTおよび組織学的評価で検討を行う。
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