2013 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病病変局所におけるTh17細胞に対するAdrenomedullinの影響
Project/Area Number |
25893158
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
細川 育子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50707908)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 歯周炎 / 歯根膜細胞 / Th17細胞 / Adrenomedullin |
Research Abstract |
歯周炎はプラーク中に含まれる歯周病原性細菌により惹起される慢性炎症性疾患でT細胞を含む免疫担当細胞が病変の発症および進行に関与していることが報告されている。歯周病の骨吸収に新規ヘルパーT細胞のサブセットであるTh17細胞が関与していることが報告されている。また、免疫調節因子であるAdrenomedullin(AM)が歯周病の病態形成に関与するTh1細胞浸潤の抑制あるいはTh17細胞の分化抑制に関与していることが明らかとなっている。しかしながら、Th17細胞の歯周病病変局所への浸潤・活性化機構およびそのメカニズムとAMとの関連性には不明な点が多い。本研究では、Th17細胞に着目し、ヒト歯根膜細胞(HPDLC)を用い、Th17細胞浸潤に関与しているケモカインであるCCL20、Th17細胞の分化・活性化に関与しているサイトカインであるIL-6ならびにタンパク質分解酵素であるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)の産生機構ならびにこれらの産生に及ぼすAMの影響を明らかとすることを目的として解析を行った。 これらの結果より、HPDLCのIL-1betaおよびTNF-alpha刺激により、CCL-20,IL-6,MMP-1, MMP-3, TIMP-1の産生は誘導された。そのうちMMP-3の産生は、AMにより抑制されたが、その以外のものについては、影響を及ぼさないことが明らかとなった。 これらの結果より、歯周炎病変局所において、AMがタンパク分解酵素であるMMP-3を抑制することによって歯周組織破壊の抑制できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
歯周組織構成細胞の一つである歯根膜細胞において、IL-1betaおよびTNF-alphaの刺激によりMMP-3が誘導されること、また誘導されたMMP-3産生をAdrenomedullinが抑えることを明らかとした。これらのことより、歯周炎病変局所における歯周組織破壊のメカニズムの一部を明らかにし、それを抑制する可能性を見出したことより、研究はおおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、刺激物質を歯周病関連細菌を用いて、さまざまなサイトカイン、ケモカインおよびMMPsの産生機構さらにはそれらの産生物質とAMとの関係を解明し、これらのシグナル伝達機構を明らかとする予定である。
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Research Products
(6 results)