2014 Fiscal Year Annual Research Report
矯正力荷重下における炭酸アパタイト骨置換材の病理組織学的解析
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25893173
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野村 俊介 九州大学, 大学病院, その他 (60710994)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 炭酸アパタイト / 骨置換材 / 矯正力 / 生体吸収性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は実験動物に形成した骨欠損を炭酸アパタイト骨補填材で再建し、矯正力を負荷した場合の骨への置換性を検討することである。26年度は、前年度に確立した実験手技の改善及び炭酸アパタイト(CO3Ap)顆粒及び対照試料群であるハイドロキシアパタイト(HAp)顆粒及びβTCP顆粒の骨への置換性、補填材の吸収、歯根吸収の有無の検討を行った。 矯正力を加えて歯を動かすためには、骨欠損部に新生骨が形成される必要があり、また矯正力による補填材の影響も検討する必要性もあったため、補填材が完全に吸収されず、かつ新生骨が形成される治癒期間の検討を行った。埋入後0~4週経過まで2週毎にμCTにて埋入部を確認した所、埋入4週経過後に前述の3種の補填材周囲には新生骨が形成され、かつ大部分の補填材がまだ吸収されていなかった。よって治癒期間を4週間に設定し歯の移動を開始した。歯牙移動期間に関しても、歯牙移動開始後0〜4週経過まで1週毎にμCT撮影を行った。歯の移動は第一臼歯の口蓋側への傾斜移動を全てのラットで認め、4週経過後に充分に材料埋入部位まで上顎第一臼歯の近心口蓋根が接触している事を確認した。歯冠移動量に関してラット間で有意差は認めなかった。 矯正力荷重開始4週間後、灌流固定を行い、歯及び試料周辺の組織を取り出した。組織標本の作製、H&E染色を行い、各補填材間の変化の差を観察した。CO3ApとβTCPは材料の吸収を認め、βTCP、CO3Apの順に高い吸収性を示した。HApは吸収を認めなかった。またHAp埋入群は他群と比較した際、圧迫側に過度の歯根吸収を認めた。CO3Ap埋入群は過度の歯根吸収は認められず、また歯根膜に接触している補填材が吸収されている像が確認された。 以上よりCO3Ap骨補填材を埋入した骨欠損には過度の歯根吸収を起こさずに歯の移動が可能であることが示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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