2013 Fiscal Year Annual Research Report
酢酸アルミニウム溶液(ブロー液)の内耳毒性に関する研究
Project/Area Number |
25893189
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
菅村 真由美 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (00389347)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 内耳毒性 / 殺菌作用 |
Research Abstract |
ブロー液については、低いpHのブロー液が内耳毒性を有することがこれまでの基礎研究から示唆されており、また実際ヒトにおいても内耳毒性を来した症例が報告されている。これまでの実験の結果から、pH4.5のブロー液は内耳毒性を来す可能性は低いと考えられるが、我々はpH4.5ブロー液の抗菌活性は低いことを確認している。平成25年度には、濃度と各種細菌に対する抗菌活性の関係の検討を行った。 数種類の菌種(ブドウ球菌(MRSA)、 緑膿菌、多剤耐性緑膿菌(MDRP)、モラクセラカタラーリス、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)、ベータラクタマーゼ陰性アンピシリン耐性株インフルエンザ菌(BLNAR))を使用し抗菌活性について検討を行なった。感受性デスクに50μl 75μl の量の薬液をしみこませ、予め培養しておいた菌株のそれぞれの寒天培地上にデスク置き24時間後に発育阻止防止円の直径を測定した。原液のブロー液(pH3.5)では50μl及び75μlともにほとんどの菌において、20mm以上の 発育阻止防止円の形成をみとめた。2倍希釈したブロー液では50μl及び75μlともにすべての菌において10mm以上の 発育阻止防止円の形成をみとめたが、4倍希釈したブロー液では75μlで一部の菌に(緑膿菌、モラクセラカタラーリス、ベータラクタマーゼ陰性アンピシリン耐性株インフルエンザ菌(BLNAR))に発育阻止防止円の形成を認めるのみであった。8倍希釈では効果は認められず、ブロー液の殺菌効果は濃度が濃いほど、また投与量が多い程、強い殺菌作用を認めることが確認された。pH4.5のブロー液は緑膿菌のみ発育阻止防止円の出現をみとめたがその他の菌種には出現なく、やはり抗菌活性は低いことが確認された。 。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画通りに研究を開始しているがブロー液の作成と濃度、pHの調整が難しく当初、予定していた条件についての殺菌作用についての確認が遅れている状態である。再度、濃度、pHの設定条件を検討しなおし実験を継続する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は濃度、pH設定と抗菌活性についての検討を行った後に今回の研究で決定されたpHと濃度の条件域のブロー液の内耳傷害性と内耳障害部位についてモルモットを用いて検討を行う予定である
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