2013 Fiscal Year Annual Research Report
microRNAによる糖尿病性血管病変形成のメカニズムの解明
Project/Area Number |
25893192
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山口 宗一 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20325814)
|
Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2014-03-31
|
Keywords | microRNA / 糖尿病 / エクソゾーム |
Research Abstract |
本研究の目的は、糖尿病の高血糖状態による血管障害のメカニズムを、マイクロRNA(miRNA)と血管内皮細胞の関連で解明することである。半年の短い研究期間のため、次の二点に絞って研究を施行し、重要ないくつかの知見を得た。 (1) 高血糖下での血管内皮細胞miRNAの役割解明 培養血管内皮細胞は低酸素刺激により、miR-210, miR-503, miR-424など一連のmiRNAを発現することを確認した。低酸素による誘導が顕著なmiR-503に焦点を当て、miR-503を血管内皮細胞に過剰発現させると、その標的遺伝子であるcyclin D1, cyclin D3の発現が減少し、内因性のmiR-503を抑制すると、cyclin D1, D3の発現が増強することを証明した。また、miR-503は血管内皮細胞の増殖活性を抑えることを示した。マイクロアレイを利用したmiR-503の標的遺伝子のスクリーニングにより得た候補分子の、血管生物学的意義、その分子による細胞機能変化を検討中である。さらに、miR-503が増殖シグナルであるPI3K経路を制御する可能性を模索していく。 (2) 血管内皮細胞由来miRNAの放出と取り込み機構解明 miRNAは様々な細胞から放出されて、別の細胞に取り込まれることが報告されてきた。本研究では、血管内皮細胞からmiRNAが放出されることを証明した。超遠心でマイクロベジクルの分画を採取すると、その中にmiR-503を含む多くのmiRNAがqPCRで確認され、そのマイクロベジクルを培養細胞に添加すると、取り込みが確認される。このマイクロベジクルの中で、エクソゾーム分画に着目して、高血糖刺激によるエクソゾームの放出に関する検討を重ねている。現在は、その取り込まれたmiRNAが、細胞の機能変化をもたらすのか、同様のことが血小板で起こり得るのかを検討中である。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|