2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期に伴ったPAX3-FOXO1A発現量の変化とその意義の解明
Project/Area Number |
25893202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
菊地 顕 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40453104)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 胞巣型横紋筋肉腫 / PAX3-FOXO1A / チェックポイントアダプテーション |
Research Abstract |
横紋筋肉腫(RMS)は小児で最も多い軟部肉腫である。その二大組織亜型の一つである胞巣型横紋筋肉腫(aRMS)、特にその特異的キメラ遺伝子PAX3-FOXOA1(PAX3-FKHR)の発現を認めるものの予後は依然不良であり、その生存率は40年間改善を認めない。我々はこのPAX3-FOXO1Aに着目し横紋筋肉腫の病態解明を行ってきた。今回の研究の目的はPAX3-FOXO1Aが細胞周期に伴った動的な発現量の変化を示すことに注目しその意義を解明することである。 研究目的1:細胞周期に伴ったPAX3-FOXO1A発現量の変化を確認するために、マウスaRMS細胞、およびヒトaRMS細胞をHochest33342で染色後、DNA量に伴いFACSで分取(2N細胞 vs 4N細胞)、分取後の細胞を用い、QPCR、Western blotでPAX3-FOXO1Aの発現量を比較したところ、2Nと比し4N細胞で、PAX3-FOXO1Aが高発現していることが確認できた。また、マウスaRMS細胞株においてPax3:Foxo1a-iris-eYFPの細胞周期に伴う動的変化を倒立蛍光顕微鏡タイムラプス撮影で確認できた。 研究目的2:細胞周期に伴ったPAX3-FOXO1A機能の変化を、G2/Mチェックポイントに着目して確認するために、マウスaRMS細胞Pax3:Foxo1aをsiRNAでノックダウン、その2日後に放射線照射、その後、pHH3およびpH2AXの免疫染色を行ったところ、ノックダウン細胞において有意にpHH3、pH2AX共陽性細胞の減少を認めた。これはノックダウン細胞ではDNA二本差切断を持ちながら細胞分裂している細胞が減ったことを表しており、PAX3-FOXO1AがG2/Mチェックポイントに働いていることを示唆している。さらに、これらの細胞をマウスに同所性移植したところその増殖に有意な差がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備実験の結果と同様の傾向が認められ、現在のところおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞周期に伴ったPAX3-FOXO1A発現の変化をさらに確認するために、Fucci細胞周期モニタリングベクターを用い、倒立顕微鏡でPAX3-FOXO1AおよびG1、G2マーカーの変化を確認する。 細胞周期に伴ったPAX3-FOXO1A機能の変化を、G2/Mチェックポイントに着目し、さらに確認していく。具体的には、PAX3-FOXO1AノックダウンaRMS細胞に放射線照射によってDNA二本差切断を生じさせ、そのごマウスに同所性移植、その腫瘍の発生率、増殖率、さらに腫瘍内でのPAX3-FOXO1A、チェックポイント関連タンパクの発現量を比較検討する。
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Research Products
(1 results)